りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

カテゴリ:人生色々~小説みたいな本当の話 > ある女性からの忠告





「神社でね、私、思いっきり祈ったのよ。あの人に罰をあてて下さいって何度も祈ったの。
消えてしまえばいいって。私を苦しめた分、向こうにも苦しんでほしいって。

この前、クリスマスにお花が届いたの。
誰からだと思う?夫の彼女からよ。
クリスマスに夫は家にいなかった。彼女から私へのアピールだったのよ。
カードに”いつもご主人にお世話になっています。”って書いてあったの。

こんな老人になっても、夫はまだそんな事をしてるのよ。
私、怒りが抑えられなかった。
夫の不幸を祈ったから息子がこんな目にあったと思ったわ。

神社で祈るなんて…良くなかったわ。
それこそ、私に罰があたったのね。。
私の大事なもの、息子に不幸が戻って来たんだわ。

あんなことを願っちゃいけないのね。

もう、これで、夫の不幸を望むのはやめた。
でも、憎む気持ちは変わらないし、恨み続けると思う。

あなたも、気を付けてね、自分に返ってくるから。」

と、忠告してくれた。

確かに、神社でそんな事をお願いするのはちょっと、ありえないかなあと思った。

でも、それだけストレスが強く、辛かったのだと思う。
相手に、直接何かした訳じゃないし、
気持ちが少しでも軽くなるなら、神様も理解してくれたんじゃないかな。

祈った事と、息子さんのアクシデントは、偶然だと思う。
おそらく、彼女の心の中に、人の不幸を祈ることへの後ろめたさがあって、
それに、結び付けたのだと、私は解釈した。
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本来、そんな事を願う様な人では全くなく、
悪いのは、そこまで追い詰めた旦那さんなのだ。
離婚はしないという理由がわからないが、
何か信念か、意地があったのだろう。

自分にお金があって、老後一人で気楽に暮らせるなら、
私ならとっくの昔に夫を追い出しただろう。

奥さんのお金で、旦那さんを施設に入れてしまうなんて
凄いなあ。そこまでしてやる価値も無さそうなのに、でもそうしないと出て行かないし、
好き勝手されるんだろうなあ。
他人の家のことはわからない。

最近、自分も具体的に考えて居る。
縁を切るなら、時期、タイミングはいつがいいか、
言い出し方など、うまくやらないと、絶対嫌がらせをされる。

意地でも、判子押さないとか、
お金を要求してきたりとか、子どもに裏で変な事をふきこんだりとか
考えると、憂鬱になる。

そうなると、この女性の気持ちがよくわかってくる。
神社には行かないし、そんな事は祈ったりはしないが、
自分の心の中では、夫はすでに無価値で、
ボロボロの服を着て、孤独な高齢者になっている姿を想像して、
ストレス発散している(笑)






女性は、最近ご主人と別居したばかりだった。

若い時は、美しい容姿に加え、商才もあり、
当時の女性にしては、バリバリ仕事をし、稼いでいたそうだ。

恋愛結婚だったが、御主人は元高校教師。
誠実な人だと思って結婚したら、とんでもない人だったという。

教え子の母親と次々と噂になったり、
浮気癖があり、家庭を顧みず、遊んでばかり。
車の運転も乱暴で、何度も事故を起こし、
奥さんも怪我をさせられたことがあったらしい。

教師なのに?と驚いた。
奥さんの収入が多くなると、奥さんのお金をあてにし、浪費三昧、
旦那さんだけ他の女性と複数で海外旅行に行った事もあったという。

自分の給料は全て小遣いにし、生活費も派手な交際費も全部奥さんの給料で。

給料が多いなら、さっさと別れたら良かったのに、と思うが、
時代が今と違い、世間の目は、妻が我慢しないといけないと言うだけで、
味方がいなかったそう。
世間体や子どものことも考え、我慢していたそうだ。

おまけに、姑にいびられ、病気になったりと、嫌な思い出しかないと言う。

歳を取り、自分の財産が多いので優雅には暮らせるが、
先が短くなってきた今、自分の人生を振り返りこれで良かったのか、
と悔しさと後悔が襲ってばかりと話されていた。
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そんな気も知らず御主人は、高齢になっても、まだ外に女性を作っているというのだ。

持病のあるその女性は、そのストレスが原因で何度も心臓発作を起こした。

医師から
「ご主人へのストレスが原因だから、このまま夫婦一緒にいたら、
あなたの寿命が縮まりますよ」
と言われたそうだ。
「もう我慢してはいけない、旦那に命まで奪われてしまう。
喜ぶのは誰だと考えたら、腹が立って、夫が憎くてたまらなくなって、
すぐに旦那を家から追い出したのよ。施設に入れたの。お金は私が負担するんだから、
文句は言わせなかったわ。

とりあえず、嫌いな人の顔を見なくてすんだから、
これ以上ストレスは強くならないと思うけど、
それでも、悔しさ、憎さがあふれてね。

息子は苦労をずっと見て来たから、私の理解者なの。
一緒に、神社にお参りに行こうと二人で行ったの。」

                       続く


かなり前の話。
仕事で出会った年配の女性がある日、
「息子が今日、手術を受けたのよ」と話された。

息子さんは40代の働き盛りで、会社を経営されていた。
検診で腸にポリープが見つかり、レーザーで切除する手術を受けたとのこと。
簡単な手術なので、日帰りだったか?すぐに帰宅できると聞いた。

翌々日に、再びその女性に会うと「あれから大変だったのよ」と
暗い顔をされていた。

術後、帰宅した息子さんは、寝るまでは元気に過ごされていた。
が、深夜に突然、のたうち回るほどのお腹の激痛を訴えられ、
救急車で手術を受けた病院に運ばれたそうだ。
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なんと、医療ミスが原因だったそうで、
レーザーで、腸に穴をあけられていたそうだ。
目に見えないほどの切り目が入っていたらしく、
手術した医師もミスに気が付いていなかったそうだ。

穴から食べ物が漏れだし、とんでもないことに。
一歩間違うと、命の危険もあったそうだ。

簡単な手術だったと喜んだのに、
まさか、こんな目にあうとは。とがっくりされていた。
息子さんも女性も、精神的ショックが大きかったとのこと。
「いずれ、息子は病院を訴えるだろう」と話されていた。

その女性は
「私のせいかもしれない」
と落ち込まれていた。

                         続く



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