りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

カテゴリ:人生色々~小説みたいな本当の話 > A君のこと

あんな事位で、いちいちむきになった私は、心が狭いのかな、普段会う訳じゃないし、ほっといても良かったのかなとか、思う事もあった。

が、私には子どもがいて、一応夫もいる。本当のことならまだしもやっぱりあんな風にA君の誤解なのか嘘なのかわからないが、誤解されたままというのは嫌だった。私の家族まで馬鹿にされている気がした。

A君が奥さんの事を私にそんな風に話してくる無神経さも気持ち悪かった。何を自惚れているんだろう。
「僕は奥さんにも愛され、心の広い人だから安心してつきあえるよ」とでも言いたかった?気持ち悪っ。

いっさい夫の愚痴も言っていないし、A君に気のあるふりもしていない。平凡な幸せな生活の様に話しているつもりだった。

しばらく連絡が来なくなったということは、想定外の反応にびびったのか、勝手に誤解して恥かしいと思ったかなと期待した。

そういう面以外は、素朴な良い人なのに。と思いながら誤解が解けたならいいやと安心していた。
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暫くして、A君からメールがきた。

私の返事にはいっさい触れず、何もなかったかのような文章。

そして再びイラッとする事が。

「来月、妻がそちらに旅行に行きます。妻があなたに挨拶したいと言ってます。僕からも土産を持たせたいので、ホテルまで行ってくれるよね。」


??? 私は混乱した。
そりゃ、夫に比べれば、ずっとまとな人だけど、ここまで鈍感で勘違いするのはちょっとおかしくないかい?

何で、奥さんに会いに私がのこのこ出かけていかねばならないのか。

何で挨拶する必要があるのか。A君と同窓生というだけ。奥さんとまで付き合いたいなんて思っていないし。

A君にそこまで興味も無い。結婚しているおばさんとおじさんなのよ?いつのまにか私はご夫婦とお付き合いしている事になってるの?こっちは夫抜き、向こうは夫婦で?
いつのまにそうなった?もしかして、私のメールを夫婦で共有してたの?まさかね。


このまま放置していたら、夫婦の妄想が盛り上がって、奥さんがうちに突然来て「主人がいつもお世話になってます。でも、主人は私と別れる気もありませんので申し訳ないですが、期待しても無理ですよ」みたいなことを言われそうな気がしてきた。

A君はどこまで嘘をついてるの。私のメール見てないのか?

なので、今度こそはっきり伝えた。

「もう私に連絡してこないでください。」と。理由をいちいち説明するのも馬鹿らしかった。


「私もあなたの奥様に会いたいから行きます。私からもお礼を言いたいし」と言えば良かったのかな?

私がおかしい?考え過ぎ?嫌な事を言われる訳でもなく、挨拶したいと言われるのだから、好意的に思ってくれているじゃないか、と思えばいいのだろうが、無理だった。

私は、夫婦を一つのペアとして考えるのは抵抗があり、個人対個人の付き合いであり、夫の友人に妻も気を使えとか仲良くするべきとか、またその逆も、おかしいと思っている。

だから、知らない人なのに、友人の家族だからといって、当然のように仲良くするのが私には違和感ある。だったら、A君は私の夫にまず挨拶すればいいのにやらない。

土地柄?向こうではそういう人間関係が当たり前なのかもしれない。全く私の気持ちが理解できないのかもしれない。

そう好意的に考えてもみたが、前に送ったメールでわかってほしかった。


この時は、A君はしつこく返事してきたが、理解できないふりか何かわからないが、何を言ってもとんちんかんで、会話にならなかった。
「もし私が、夫がそちらに出張で行くからホテルまで会いに行ってねと言ったらあなたは行きますか?」

と聞いたら、返事は無かった。
結局、この件はうやむやにされて、最後まで理解してもらえなかった気がした。

「とにかく、もう連絡しないでほしい」と言って、それっきり疎遠になった。年賀状だけは届いていた。


そしてまた忘れた頃、何も無かった風に、A君からメールが来た。災害があった時、心配してメールをくれた。
と言っても以前とは違う。ギクシャクしている感じ。それでちょうど良い感じになった。

今では素直に、遠くからでも気にしてもらえることに感謝している。
私ももうあんな事で怒る様な状況もなくなった。歳をとったということなんだなあ。


続き

私の感覚として、A君夫婦の仲良くなる為の刺激剤として、私が利用された感じか。

自分が女性に好かれている風に思わせ、嫉妬させて、妻の愛を確認する夫。
「大丈夫だよ。僕はその気はないよ。むこうから誘ってきただけ。君が一番だよ。」と妻に言う。
そして妻は、「私はそんな事で焼きもちやかないわ。夫がもてるのは嬉しいし、心が広いの。こそこそしないで堂々と付き合うなら私は許すわ。可哀想だから相手してあげて」みたいな?勝手に盛り上がってよねと言う感じ。

まあ、夫婦仲良しは良い事だけど、事実じゃない話で私を巻き込まないでほしい。
独身時代から一度もA君を恋愛の対象として見た事が無いのに。

もしかしたら奥さんは内心嫉妬に狂ってて、私を恨んでいるとしたらどうしてくれるの。

自分の立場を良くする為に人を盾にするなんて最低だ。こういう所は夫と同じだ。

どっちかというと、A君からいつも連絡してくるというのに。
そういう事は奥さんには言わないのだろう。

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私からA君への返信には、

「奥様にお伝えください。”心配して頂いてありがとうございます。ご夫婦で誤解をされておられる様ですね。私の事は全くご心配にあたりません。私は家族がおりますし、毎日忙しく、他人の旦那様に話相手になってもらう必要も、余裕もありません。これまで、単純なやり取りしかしていませんが、誤解させてしまい申し訳ないので、今後は連絡がきても返事は遠慮させて頂きますね”」

みたいに(嫌味たっぷりに)書いた。

意地悪かもしれないけど、冤罪?は絶対嫌だった。

A君からは返事が無かった。

後味が悪かったが、言いたい事は言ったので、これで縁が切れてもいいやと思った。



A君はその時の私の気持ちを知る事も無く、その後連絡が途絶えた。

他の友人同様、お互い忙しい年齢で自分の事は後回しと言った感じだったし、私は自分の家庭の事で精一杯、体調も崩したりしており、A君へこちらから連絡する事も無く忘れていた。


しばらくして、久し振りにA君から手紙が来た。

原稿用紙を便せん代わりに使い、A君らしいなと思ったが、その内容にまた ん?と思わせられた。

「久し振りです。実は妻から叱られまして。妻が君の事を心配しています。”相手してあげないと可哀想でしょ。たまには手紙でも出してあげなさいよ。きっとあなたの連絡を待っているはずよ”と言われました。気が付かなくて申し訳ない。なので、今日は、手紙を書きました。」
みたいな事を書いてあった。

ん?じゃなくて、は?と言う感じ。訳がわからない。

大きく深呼吸して、気持ちを落ち着けた。
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手紙の内容はそれがメインで、後は近況を書いてあっただけ。別に近況なんてこっちは知りたい訳でもなく、手紙が欲しい訳でもなく、連絡を待ってもいなかったのだが。

この内容は真実なのだろうか。嘘だろうか。

何が言いたくてこんな事を書いて来たのだろうか。

真実だとしたら、私とのやりとりをいちいち奥さんに報告しているってことか?

別にたいしたやりとりもしていないし、どうぞ見せて下さい。私も家族に友人関係はオープンですから。それとも、A君の代わりに奥さんがメールしてる時もあったとか?まさかね。

でも、何で可哀想だと言われるのかがわからない。

こんな事、ははっと笑って流せばいいのかな?いやいや私はそれができない。未熟者ゆえ。

これは、いかんな。何この妄想夫婦。A君、嘘ついてる?このままじゃいかんなとぶつぶつ独り言を言いながら、返事を書くことにした。




パソコンは、どうにか動く様になったが、いつまでもつかわからないのでおそるおそる使う事に。

でも、とりあえず、大きな出費がひとつ抑えられた。


さて、A君の話の続きだが、
自分は質問されたから、ただこんな旦那さんならいいなと素直に言っただけ。なのに、急に不機嫌になったA君。

ここで再び ん?となった私。

何か変な事言ったかなと思い、聞いてみた。
すると「それは僕が子どもがいないからって、馬鹿にしてるの?子どものいない男性はだめってこと?欲しくてもできない人もいるんだよ。」と言う。

え?そんな風に解釈する?そこまで深い話していないけどな。

「どんな旦那さんが理想なの?」と聞かれたから
「今の自分の立場から言えば、真面目に働いて、子どもを大事にしてくれる人ならいい。」と答えただけ。

私には子どもがいるのが前提の質問だから、私の旦那に何を求めるかという質問だと思った。
私が夫の話をしないから、そうやって聞きだそうとしたと感じた。

夫に対して望んでいる事を言っただけ。

つまりA君は「質問には、子どものいない僕の気持ちに配慮して答えてほしかった」と言いたかったのだろう。

ならA君だって、夫と子のいる私の立場に配慮して質問したらいいと思うが。

きっと彼は周囲から無神経な事を言われ過ぎて、被害妄想モードになっているのだろうなと想像した。

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子どもがいてもいなくても、どんな生き方でも他人の家庭に人が口を出す権利はない。

子がいないからダメだとか、うるさい親族がいるなら、私ならそんな人とは縁をきるし軽蔑する。

「僕に子どもがいないから、僕は旦那としてダメだっていうのか?」なんてA君に言われた私の方が逆に傷ついた。

A君は堂々と「何が悪い!子どもがいなくたって夫婦仲良しで幸せだぞ」と思ってればいいし、そうだと思っていた。
そもそも、私からは何も聞いていない。

A君の方から、自分の家庭の事をどんどん話してきたし、私は黙って聞いていただけ。

もし、自分がA君の奥さんと同じ立場になった時、私は母から差別され、孫をうめないなんて世間体が悪いだの、ひどい事を言われることは予想できる。

自分は理不尽な目にある側を応援する方だと思っている。

その他のA君の言葉の裏から、「僕が悪いんじゃない。奥さんの病気で作れなかっただけ。子どもが欲しかった。こんなはずじゃなかったんだ。」と言いたげな気持ちが感じられた。
私と同じで、結婚してみたら、予想もつかない事になって、こんなはずじゃなかったという、でも誰にもぶつけられない複雑な気持ちは理解できる。

本人にしかわからない辛さもあるのだろう。
でも、もうそれも面倒臭くて、この件も聞き流した。

A君が敏感になっている事がわかり、繰り返す「ん?」の連続、我慢して聞き流してきたせいか、段々A君にイラっとしてきた。

まあ、雑談を話すのは楽しいし、たまにメールのやりとりする程度ならいいし、友人の1人としていてくれるのは有り難い、仲間との連絡を取ってくれたりするしと気にしないでおこうと思っていた。

イラッとするのは、私の器が小さいからだろうなと思っていた。

その後、結局は小説は送って来なかったので、感想をいう事もなく、たまにメールのやりとりをした。

内容は、同級生の話題や、共通の趣味の話題などだ。

メールが来たら、返事をする程度。たまに手紙も来た。小説を書く人なので、紙に文を書く事が好きだとかで、便せんでは無く、原稿用紙に書いてきていた。

小説は趣味で書いているのだろうが、感想うんうんは手紙のやりとりをできるかどうか、確かめたかったのかもしれない。
その辺も回りくどくて、何だか引っ掛かったが、まいいかと流していた。

あの頃は、A君だけでなく、他の友人達とも手紙やメールのやり取りを頻繁にしていた。

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ある時、メールで、A君が職場の愚痴をこぼしていた。

私じゃなくて、奥さんと話した方がいいのではと思い、「私でなくて、奥さんに聞いてもらった方が良いのでは?理解ある人なのでしょう?」と言った。
すると「いつも聞いてもらっているよ。この前も奥さんからこう言われたんだ。家電はいっぺんに壊れるしね。って。」

この時も、ん?何が言いたいのかわからない…と聞き返した。

すると「うちの奥さんは、家電はどうせ同時に壊れるし、その時お金が急に必要になるけど、それを払えるお金さえあればいいって言うんだよ。」と言う。

更に、ん?だから?と聞くと

「今それだけの給料さえあればいいんじゃない、っていう事。沢山稼がなくても、何とか生活できればいいよって言ってくれるんだよ。」
と、やっと結論に。


最初からそう言えばいいのに。イライラ…
「良かったね。良い奥さんで。幸せね。」と答えたが、それを言わせられるまで回りくどいのが疲れる。

おっとりした性格のA君だったが、一度だけ感情的になった事があった。

「どんな旦那さんが理想なの?」と質問された。
私から私的な話を聞きだそうとするA君だったが、乗せられずに家庭の話はしない私。

夫の事を聞きだそうとしているのかなと思った。

「自分の今の立場で言えば、真面目に働いてくれて、子どもを大事にしてくれるならそれで充分かな」と答えた。当たり前の話だと思ったが、夫に欠けていたものを答えにした。


すると、突然A君が不機嫌になった。また私は、ん?となった。

この理想は、夫にはあてはまらないが、A君ならぴったりだろう。家族を愛し、真面目に働いているのだから。

なのに、「失礼だよ!僕を馬鹿にしてるの?」と言うのだ。




続き

そもそも、「A君にイライラして来る」という言い方も、自分て何様よ、と思うのだが、私の心に気が付かずマイペースなA君。
仕事も真面目、家族思い、友達も大切にして最高じゃないの。
完璧すぎてイラッとするの?いや、そうじゃない。

少しずつ感じたイラっとする感覚が積み重なり、ある時期に爆発するまでのやりとりを振り返ってみよう。

最初に「ん?」と感じたのは、メールのやり取りの中で
「君の御主人て、もしかして僕に似ているんじゃない?」と聞かれた時。

お互い結婚してからしばらく疎遠で、久し振りに連絡が来た時だった。
(はるか昔の事を今頃話す私もしぶとい)

私はプライベートな事を聞かれても誤魔化したり、なるべく話さない様にするタイプ。

A君は、喜んで私がべらべらと話すと思っていたのかもしれない。

でも、唐突にその質問は何?意味がわからないと言ってみた。
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A君は「いや、何となく僕に似たタイプの人と結婚したんじゃないかと思って」
と言う。だから、何故そう思うのかを聞いているんだよ。と言いたかったが、やめて、
「全く正反対のタイプよ。見た目も性格も。」と答えた。真実だから。

夫の事は私は何も話していないので、A君は私と夫は理想の結婚をしているのだろうと勝手に思い込んでいる様だった。

だからつまり、私の理想のタイプがA君に似ているという事になるよ?は?

冗談なら面白くていいけど、真面目に聞いて来た。

でも、似てないと答えたから、A君は、逆に解釈しただろう。「あなたは私の好みのタイプじゃないの」と。
実は、A君の事を評価して、「旦那よりずっとまともだ」と誉めたのだが。そこまで説明するのも面倒で黙っていた。

A君が気を悪くしてもいいや、変な質問してきたのはA君だし。と思っていた。
A君がそんな自信を持つ様な態度はとっていないつもりだった。恋愛の対象として見た事も無かった。A君は、女性には消極的な奥手の人だった。
だから、この発言には驚いた。

それ以降、少し言葉使いをよそよそしくすることにした。

A君は自分の事を色々話してきた。

奥さんが結婚してすぐに難治性の病気になり、子どもを作れなかった。だから子どもはいない。とのこと。現在奥さんは、病気とは思えない位元気になっていて、夫婦仲良く暮らしている。そんな話を私は黙って聞いていた。

その後「趣味で小説を書いているから、読んで感想を聞かせてほしい。」とメールが来た。

学生時代に、A君は仲間と同人誌を出していた。他の人は興味を示さず、断れない私だけが毎週読んで感想を伝えていた。

その記憶が彼にあったのだろう。私なら読んでくれると信じていたようだった。

久し振りに大学時代の友人A君からメールが来た。

同じサークルだった人で、卒業してから今日まで、何かあると連絡が来るし、年賀状のやり取りを長年続けている仲間の一人。

学生時代では、話しやすく趣味も一緒で身内みたいな感覚で話せる人だった。彼は1浪していたので1歳上のお兄ちゃんみたいな感じというか。

「コロナ大変だね」とこちらの様子を気にしてくれていた。
お互い近況を伝えてやりとりは終わった。

こんな私でも、長い間友人と思ってくれている事に感謝している。

以前「今、他の同級生や先輩達と一緒にいるよ」と電話をかけてきてくれ、私に色んな人と話せる機会もくれた親切な人。
遠く離れた土地に住んでいる。

私が出産して間もない時に、何も知らなかったA君から「出張で近くまで来ているよ」と連絡があったが、産後で動けなかったので会えなかった。
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優しい話易い人なので、メールでのやりとりの中で、つい私は遠慮なく言いたい事を言ってしまう。

やり取りが長くなると、相手の反応にイライラしてくる時があるのだ。

何故なんだろうといつも思っていた。
彼は何も悪くないし、夫に比べてとても普通のきちんとした旦那さんなのだ。

イライラしてくるのは、相性なのだろうか。
(こういう人と結婚していたら、私は理由もなくイライラしていたかもなあ)と、私の結婚相手には向いていないと思っていた。今思えば、間違いなく贅沢なイライラなのだろう。結婚する時、A君じゃなくて、夫に対してどうしてこういう思いが浮かばなかったのだろうと思う。


A君は真面目で、間違いなく良い旦那さん。奥さんとも仲良くて幸せな結婚生活の様だ。

なのに、まともな人にイライラするって、私の感覚がおかしいのだろうな。夫は今では、イライラどころか、恐怖を与えて来る、レベルが違う。

私は、夫みたいな人にはターゲットとしてぴったりのタイプだったのだろうな。

そんなA君に対して、腹がたち、縁を切った時期があった。今はやっと普通にやりとりする様にはなったが、あの事件以来ギクシャクしている。
あの事件とは…            続く

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