りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

カテゴリ:人生色々~小説みたいな本当の話 > H子の努力

子供さんが就職するのを待って、H子は離婚を言い出した。


別居している間、ご主人から電話で「お前のせいで、自分の生活費が無くなり、お袋の年金の世話になってるんだぞ。お袋に謝れ!」と言われたそうだ。


それまでの彼女なら、言い返さず、黙って耐えたのだが、別居して目が覚めていた。


「何いってんの!お金が無いのはあなたのせいでしょ!いい加減にして!」

と、結婚以来初めて言い返したんだそうだ。


それが、かなりDV旦那さんにはこたえたらしい。抵抗していた離婚話はとんとんと進んだ。


セレブな生活をしていたご婦人だったのが、突然ドン底に落ちて、最初は世間体を気にして、何とか繕っていたようだが、次第にそんな余裕もなくなっていつしか、心と体を病む入り口で何とか踏みとどまれたのだ。


不幸な現実から抜け出せたきっかけは、彼女が役所に相談に行ったことだろう。


鬱になって、病院で別居を勧められたことも良かった。彼女が行動的で、社交的で素直に相談できたのも救いだった。


自分がDVにどっぷりはまっていて、一人で苦しんでいた事に気が付くことができた。
DVをする人間は、「お前が悪い」と責める為、被害者は洗脳され、逃げだす力も奪われる。



当時私は、彼女の話を聞くのが精一杯で、自分の事など話せる状態ではなかった。


この友人から、色々学ぶ事は多い。

 
参考☆どんな事でも、心配事があったらまずお役所に行ってみよう。相談に乗ってもらえる。解決のヒントを貰える事もある。

H子宅は、税金も払えなくなっていた。

ご主人は借金を申し込もうとして、それが原因で断られた。帰宅して「お前が税金払っていないから金借りられなかったじゃないか!」とどなられたらしい。ご主人は、彼女が何か言おうものならどなりちらし、暴言を吐くので、彼女は何も言い返せない。


その時から、彼女は幻覚が見え始め、体調が悪くなっていた。

妻が仕事しているのに、夕方洗濯物を取り入れていないのが気に入らないと、庭に洗濯物を投げていたりする旦那さんだった。


ついに、役所が動いてくれ、ご主人に説教してくれたらしい。「あなたは人間のクズですよ」と反省のない態度を見て、言ってくれたそうだ。


医師にも、すぐに別居するように言われ、彼女は実家に逃げ帰った。




参考☆医師や、役所に全てを話し、相談した事が良かった。客観的に相談者の立場を自覚させてくれ、解決の為のアドバイスをくれる。傷が深くならないように考えてくれる。

友人H子の話だが、県外の故郷に帰って以来、お互いなかなか会えずにいる。
一人暮らしで働きながら、次の人生を楽しみ、頑張っている様だ。


彼女が離婚するまでには、壮絶な戦いがあった。



彼女は、結婚するまでは、「こんなに幸せでいいのかな」と思える人生だったそうだ。

彼女のプラス思考と明るさ、さっぱりした性格に加えて愛情深いご両親という素敵な 環境で育ったからだろう。


大企業に勤めるエリートのご主人と結婚し、バブル期にはご主人は単身赴任になり、子供と二人で気楽で楽しいセレブな生活を過ごしていた。



彼女が幸せと思っていたのはそこまでだったそうだ。



このご主人も豹変したらしい。典型的なDV夫だったという。 高給で、単身赴任だったから我慢できたと言っていた。

バブル期に、ご主人が会社を辞め、赴任先で起業したが失敗、バブルははじけ、赴任先から借金まみれで帰ってきたという。
義両親との2世帯住宅を建てたばかりだった。



それからは、地獄の日々。

プライドの高いご主人は、仕事もせず、家でゲームをして引きこもった。友人は、朝から晩まで働いて生活費を稼いだ。

子供さんは大学に入ったばかりだった。


ご主人に働いてほしいと訴えても、「子供は退学させればいい」と言われる。

パチンコ代など小遣いを親に貰い、たまにアルバイトをして、辞めてを繰り返し、ほとんど家にこもっていたとか。


あまりに情けない息子の姿に、義両親は嫁と孫の為に協力してくれた。


彼女は義両親に大切にされていたのが救いだった。



ご主人の借金がかなりの額あり、家のローンも負担だったため、役所に相談にいき、そこで彼女は、「ご主人にDVされているんですね」と言われたそうだ。


その時初めて自分がDV被害者なのだと気が付くことになる。

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