りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

カテゴリ: 人生色々~小説みたいな本当の話




元上司は話してきた。

「元妻は、子どもが欲しかったらしいんだ。でも、僕がいらないと言っていたから
それが不満だった。でも、いつかはできるだろうと希望は持っていたらしいが、
子宮の病気が悪化して全摘手術になってしまった。

手術後、実家に帰ったまま、うちには帰って来なかった。
そして、突然、離婚調停の通知が届いた。

僕は、離婚する気は全く無くて、理由を聞いたんだ。
そしたら、結婚する前と話が違うと怒っているんだ。
妻は子どもを早く産んで専業主婦をしたかったらしい。
収入は少ないし、僕が子どもを欲しがらないし、
共稼ぎをしないといけなかったし、全てが不満だったと言うんだ。

医師からは、早く子どもは産んだ方がいいと言われていたのに。
あなたは協力してくれなかった。
私は子どもを産めない身体になった。
あなたと結婚したが為に、人生が狂った。
もう一緒に生活したくない。こうなったのはあなたのせい。慰謝料も請求します。
というのが奥さんの言い分だった。」


奥さんに電話をしても出てくれず、やりとりは全て弁護士とだったそうだ。
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調停は長引いたが、結局2百万の慰謝料を渡して離婚成立。

私と話す元上司の口ぶりは、
「ここまできて、こんな事になるとはね」
と苦笑いしていた。

若い時は、自分の方が、離婚したいと思う事が多く
奥さんが別れたがらない様な力関係?だったそうで、
絶対、向こうから言い出すなんて思ってもいなかったそうだ。

「妻が実家で長く過ごした事も一因かな。親に何か言われたのかも」
と言っていた。

確かに、受け入れてくれる場所、応援してくれる場所があれば、
人生をやり直すのに心強い。
若い時なら、親に旦那さんの愚痴を言っても
親は、そう簡単に離婚してほしくない訳だし、
もう少し我慢しなさい、みたいにしか言われないだろう。

でも、早く孫を見たかったご両親にとっては、
娘の身体のことも、子どもを生もうと思えば生めたのに、
そのチャンスを奪われた訳で、
娘の旦那さんを恨む気持ちがでてきても仕方ないかもしれない。

話を聞いていて、元上司は、全く自分が悪かったとか、
後悔もしているふうには思えず、
「今更そんな事を言われてもねえ」
みたく、他人事、そして
2百万も出してやった、と自慢する。

この人は、こんな人だったのか。
若い時しか知らないけど、そんな感じはしていたけど、
何も変わっていないんだな。
と、残念な気持ちになった。

それから、しばらくの間、連絡もとっていなかったが、
久しぶりにラインが繋がった時、
元上司は、実家で1人暮らしをしており、
パーキンソン病になっており、
色々、苦労しているようだった。

あの20代の、溌剌としたモテ男だった彼が
こんな風に変わってしまうとは
人生ってわからないものだなあと
ため息がでた。





はるか昔の話になるが、
新卒で入社した会社で、一番近かった元上司とは
今でも、年賀状だけはやりとりしている。

最近、ラインが繋がり、
時々、お互いの近況を連絡し合うようになった。

私が入社した時の先輩は 、結婚したばかりだった。

上司とは言っても、まだ28歳で若かった。
毎日、新婚生活をのろけられ、
私たちはうんざりしていた(笑)

当時はもてるタイプの人だったので(ヨン様似)
奥さんは心配だったと思う。
勝手に妄想され、やきもちを焼かれた女子社員達は迷惑していた(笑)。

元上司は「僕は子どもが嫌いだからいらない。」
と言っていて、奥さんは同意しているのかなと
周りは心配していた。

当時、元上司は私にこう言って来た。

「妻は子宮に問題があって、
子どもが出来にくいと医師から言われたんだ。
出来ない訳ではないが、放置してるとできない身体になるから
子どもは早く生んだ方が良いらしいんだけど。
僕は、今はまだ収入が少ないし、子どもは嫌い。
今はいらない。もっと後でいいと言ってる。
妻に毎晩泣かれててさ、嫌になるよ。
離婚する気はお互いに無いけどね。」
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一緒に残業した時など、
人がいない場所で奥さんの愚痴を聞かされた。

奥さんに同情したし、元上司に対して嫌悪感まで感じた。

が、仕事面ではできる人で
新人の私たちへの指導が素晴らしかったので
公私混同はしなかった。

その後、私が寿退社し、県外に引っ越し
元上司とは年賀状のやり取りだけになった。

15年程過ぎた後、突然、「離婚しました」と印刷された葉書が
元上司から届いた。

同時に彼から電話もきて驚いた。
離婚するまでに色々あった様で、疲れた口調だった。
誰かに、愚痴を言いたかったのだろう。
私なら、もう関係ない人間で、事情を知っていたので
言いやすかったのだろうと思った。
                    続く






 


私の質問に対して、ミカさんは、
「あれ?その話?私が喋ったかな?へへっ」
と笑って誤魔化していた。

(話はそれるが、大変な事が起きた!とか、遂に!とか、もうダメだ!みたいな
派手なタイトルのブログが、実は何でもない内容で、やられた~と思ってしまう時がある)
それとミカさんの言動が似ていた。

PTAの会合の帰り道、ミカさんと一緒に歩いていたら、
パンチパーマ、ジャージに雪駄といういかにもという感じ?のお兄さんとすれ違った。

知らない人だし、怖い感じがして
お兄さんを避けて歩いた。

するとお兄さんは「あれ?ミカちゃんじゃねえか?」と
ミカさんに声をかけてきた。

は?知りあいだったの?と内心驚く私の顔をみて
ミカさんは、顔をひきつらせ、知らん顔をしかけていたが
「何気取ってんだよ久し振りィ!元気だった?」
とお兄さんに引き留められ、誤魔化せなくなった。

少し離れた所で、お兄さんとミカさんは何か話していた。
その口調は、いつものミカさんとは別人だった。

私の所に戻ったミカさんは、
「昔の知り合いで。」
と言うだけで、黙っていた。

人を見た目で判断してはいけないし、
誰がどんな人と付き合おうが、自分には関係ないので
こちらも何も聞かなかった。
ミカさんに、表と裏の顔があるのは、確かなのだろう。
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一見、子どもを可愛がっている様に見えたが
ある時、子どもさんに、日常的に暴言、暴力をふるっていると本人から聞いた。
当たり前の様に、自慢気に話すので、
私は絶対にやめるようにと何度も言った。
ミカさんはうつむいて「わかってる…」と言っていた。

その後、子ども達は、クラスが変わり、
違う学校に進学し、ほとんど会う事も無くなり、
親同士も自然に会わなくなった。

こちらから全く連絡をしなくなったので
私に嫌われたと感じたのかもしれない。

魅力的な部分があり、
羨ましいところも沢山あったし、嫌った訳ではないが、
彼女と親しくすると、いつのまにか洗脳されそうな
自分が自分で無くなるような、恐怖心があった。

そんな私の気持ちを彼女は察したのかもしれない。

彼女に聞いてみたことがある。
どうして、他の人には、突然怒ったり、
はっきり文句言ったりするのに、私にはいつも気を使ってくれるの?と。

彼女の返事は
「りんごさんには、馬鹿にされたくないの。軽蔑されたくないって凄く思うの。
りんごさんが本気で怒ったら、私、立ち直れない位、落ち込みそうで怖いの。
いつも好かれていたいと思ってしまう」

何故、自分なんかに、そんな風に思うのか、
その時の彼女の気持ちは理解できなかった。
私の中に、ミカさんと似た何かがあって、
それは彼女にしかわからない感覚だったのか?

でも、本当にそうだったとしたら
自然に縁が切れたのは、良かったと思う。

悪く考えると、私は彼女のターゲットになっていたのかもしれない。

彼女には、他にも沢山の知り合い、遊び仲間がいた。
私と縁がきれたところで何も困らないし、
またすぐに、次々と誰かと仲良くなって
どたばたして、の繰り返しなのだろうと予想している。

今ではどこかに引っ越してしまい、
誰も、どこでどうしているか知らないという。



 


ミカさんに、説明会に出る様に言われたから急遽行ったけど
説明以外の特別な話は無く、行く必要は無かったこと。
ミカさんが、来ていなかった事。
などを電話で話した。

すると、へへっと笑って
「行きたかったんだけど、下の子がお腹壊しちゃって~」
と言うだけのミカさん。
その反応を見て、あの電話は嘘だったんだなと思った。

「だって、うちはイベントに出ないし、説明会行っても意味ないし。
別にどうでもいい。行かなくて正解だったわ。はは。」
と、嘘を真に受けて真面目に学校に行った私を笑っているようだった。

そして、この人、簡単に人を信じるんだなと思った事だろう。

ミカさんには、気を付けた方が良さそうと感じ、距離を置く事にした。

が、子ども同士が仲良しなので、当時はそうもいかなかった。

電話がくると、普通に話はしていたが、
彼女の嘘に乗せられないよう、気を付けた。

他のママ友、Wさんと話す機会があり
「ミカさんて、電話かけてきたら一方的に話してきて
なかなか切ってくれないから困るのよね。
この前も、クラスの連絡網でミカさんから電話がきて、
次の人に早く回したいのに、1時間も一方的に喋られて困ったわ。
あの人、苦手だわ。」
と愚痴を聞いた。

Wさんと、ミカさんは仲良しではない。
むしろ、仲が悪い。なのに?と少し不思議だったし、
Wさんも、ミカさんの長電話に違和感を感じた様だった。
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そこで、思い出した。

その時の事を、ミカさんから聞いていた。
こんな風に。
「昨日、連絡網をWさんに回したのよ。早く次に回してほしいのに
Wさん、1人で喋りまくって、なかなかきってくれないの。あんなにお喋りだったなんて、
びっくりしたわ。
しかも、その内容は、あなたの話題よ。安心して。悪い話じゃなかったから」

私の噂話をしていたわよと言うのも嘘かもしれないし、
噂通りのトラブルメーカーなら、
こうやって、人間関係をかき回すのかも?と気をつけていた。

Wさんから聞いた話では、私の話題はミカさんの方からしていたし、
一方的に話して電話をきらなかったのはミカさんだったし、また嘘をついていた。
あの人何歳か知ってる?とか、私をどう思っているのかをWさんに聞き、かまをかけた様だ。

少しでも、マイナスな事をWさんが口走ったら、
それを大げさに私に伝えて、二人を喧嘩させようとしているのが
すぐにわかった。幼稚すぎて驚いた。

私はWさんとは仲良し。
ミカさんは、私を自分の味方にする為に、
自分から離れない様に、Wさんと私を引き離そうとしたらしい。
私を孤立させて、自分から離れない様にしようとしたのか。

Wさんも良くわかっており、その手に乗るはずもない。
うまく流し、お互い誤解されないよう、私に教えてくれた。

ミカさんは、人と人をもめさせようと他でも色々企んでいた。

普段付き合いの無い人から、突然「うちの主人の名刺をお渡ししますので、
何かありましたら、連絡くださいね」と名刺を渡されたことがあった。

自営業をされていたので、営業?仕事が大変なのかなと思ったが
意味不明で、??と言う感じだった。

もしやこれもミカさんが何かした?のかと

他の人に聞くと、そうだった。
ミカさんが、このお宅のご主人が、仕事もせずに遊んでいると嘘を言いふらしていた。
このお宅は立派な家で、ミカさんはそれが気に入らず、ここの奥さんを嫌っていた。

もしかすると、ミカさんが当時、私と仲良くしていたので
ここの奥さんが、私を通じてミカさんに否定してほしかったのかなと思った。

で、ミカさんに、
名刺を貰ったこと、このお宅のご主人は仕事をされていること、
誰が、ご主人が働いていないと言いふらしたのか、
と話してみた。
とにかく、嘘は言わないでほしい。人の個人情報を話題にしないほうがいい。
私を巻き込まないでほしい、みたいな事もはっきり言ったと思う。

他の人たちは、ミカさんを怖がっていたが、
私は、年上だったこともあり、どちらかというと
私の方がミカさんより強かったと思う。
ミカさんは、どこかで私を怖がっていた。

                          続く







これまで、仲良くなった友人達は、皆尊敬できるところがあり、
大人で素敵な人ばかり。


今になるまで残った友人は、学校の同級生と独身時の職場の人、ママ友、最近の職場の人など。

いつのまにか、縁が切れた人も多数。

その中で、今思えば、(自然と縁が切れて良かったのかも)と思えるママ友、ミカさんがいる。

当時、ミカさんから毎日の様に電話が来ていた。
子ども同士が仲良しで、学校の情報を教えて貰ったり、
お喋りの相手として、その当時は楽しかった。

彼女は自分の育った環境がいかに過酷だったかを何回も話した。
苦労したが、頑張って生きてきて、今は一流企業の高収入の人と結婚して幸せだと話していた。

かと思えば、故郷の親や親族から、結婚以来ずっとお金の無心をされ続けていると悩んでいた。
彼女と親族が共依存関係のように思えた。

そんな悩みを隠し、普段は社交的で、
第一印象は、大人しそうで聡明な感じがした。

つきあってみると、人の好き嫌いがはっきりしており、
虫の好かない相手には、理不尽に喧嘩をふっかける癖があった。
言葉使いまで、がらっと変わった。
「恐い人だから気を付けて」と噂も流れ、周囲の人は彼女を避けていた。

私は何故かミカさんに懐かれてしまった。

時間が経ち、気が付くと自分が振り回されている事に気が付いた。
例えば~
電話で「大変よ!緊急事態が起きたの。でも、内緒なの」と言ってくる。
内緒と言いながら、勝手に話し始める。

内容は、緊急事態でも無いどうでもいい、人の噂話。
口の軽い面があるし、物事を大袈裟に話す癖もあるなあと感じ始めた。

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ある日、学校で、自由参加のイベントがあり、
参加する人は説明会があったが
我が子は参加しないので、欠席する予定だった。

するとその数日前、彼女から電話がきて
「説明会には全員出席しないといけないみたいよ。
ここだけの話だけど、イベントの説明の他に、深刻な話を先生がするらしいわ。
だから私は出席することにしたわ。あなたも出た方がいいわよ。大事な話らしいから」
と教えてくれた。

どんな話があるのだろうと、説明会に参加した。

「イベントに参加しない人は、教室の外で待っててください」と言われ
廊下で終わるのを待った。
説明会が終わり、さて、どんな大事な話かと思ったら、
特に何も無かったのだ。

え?と思い、他のお母さんに聞いたが、誰もそんな話があるとは聞いていないと言う。
何故来たの?と言われてしまった。

で、ミカさんが来ていなかった。
あんなに、出るように言っていたのに、自分は欠席?
何かあったのかと思い、帰宅してから、彼女に電話をした。

                                続く


 高校の同窓会名簿が届いた。

すっかりご無沙汰で、実家に帰っても
なかなか友人に会えない。

今回も落ち着いたら会って帰ろうと思っていた、なのに
父に追い出された。

名簿で、知っている友人を探す。
卒業して長年たつので
半分は住所欄は空白だ。

そうだ、彼女はどこにいるのかな?と
K美の名前を探した。




以前書いたK美だ。

すると、亡くなっていた。

ただ亡くなった事しか書いてなく
詳しくはわからない。

縁をきっていたが
まさかの、ショックを受けた。

K美は生命力が強いイメージ。
自分の好きな生き方をしていたはず。

何だか、馬鹿みたいだなあ。

どんなに勝組になろうと頑張ってそれをゲットしても
死んじゃったら何もならないじゃないか。

こんなに早く。
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良く考えて見ると
高校時代で一番一緒にいたのはK美だ。
後から離れたけど。

大学時代の親友も、亡くなった。

どうして私の仲良かった人は
寿命が短いの。

この世が修行の場としたら
彼女らはもう卒業したの?

でも、家族が残っているよ。
悲しみ、寂しがっている。

いくら縁がきれた相手であっても
居なくなるなんて、そんなの嫌だ。

自分もいつ何があるかわからないとは前から思っている。

でも、大事な子どもたちを
まだ残してはいけない。

死ぬのは怖くなくても、
家族を悲しませるのは嫌だなあ。


それからしばらくして、あの人がいつにまにかいなくなった。

長い休みでもとったのかと思ったら
辞めたと聞いた。

誰にも挨拶もせず、いつのまにか辞めていた。

理由は「体調不良」とのこと。
具合が悪くて、休んだまま退職したのだろうと
誰もが思って、それなら仕方ないねと話していた。

でも、年齢より若く見えたし、パワフルで
元気だったので、病気になったとは意外だった。

ある人が私にこっそり教えてくれた。
「彼女、近所に住んでるのだけど、
昨日スーパーでばったり会ったのよ。
とても元気で、病気というのは嘘みたい。
もう次の職場で張り切って働いているわよ」

まあ、辞める時の理由として、
体調が悪い、親の介護、夫の転勤などを理由にする事が多いし
ありえる話だなと思った。

それでも、誰にも挨拶もなく
何故、辞めたのだろう。
楽しそうに仕事していたのに。
黙って辞めたのは寂しいなと思った。


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その後、しばらくしてから
再び、彼女の情報が入った。

「彼女は、解雇されていたんだって。
顧客の旦那さんと不倫して大変だったらしいわ。」

びっくりだ。

不倫相手の奥さんが、御主人と彼女の様子を不審に思い、
ご主人の携帯をチェックして発覚。

男性は40代。

彼女のパワーに凄いなあと変に感心した。


奥様の怒りは当然で、
会社に怒鳴り込まれた。
「お宅の社員は、人の家庭を壊すのが仕事なの?」
ばれたらこうなる事位、わかりそうなものだが
何をやってるんだか。
会社も迷惑な話だった。

そこで、私は思い出した。
あの寒い冬の研修の日に、
胸のあいた上着に素足にミニスカートで来た事。

休日だったのに、顧客のところに行ってきたと
遅刻してきた。

あの時がそうだったのか。
せめて、着替えてから研修に来れば良かったのに、
とても違和感があった。

会社としては、信用問題になるので
極秘にこの問題を処理したのだ。

こんな事があると
以前「私は優秀だったから、職場で妬まれたのが原因で辞めた」
とあの人が言っていた事も信用できなくなった。

今も、新しい職場で、どんな風に話しているかわからない。

また、嫉妬されたから辞めたと説明しているのかも。

うちの夫も転職が多く、辞めた理由を彼女と似た様な嘘で
ごまかしている。

自己アピールは良いと思うが
上司が嫉妬して解雇したとかいう
嘘はだめだし、
そういう事を言う人は絶対に信用できない。



その人
は、1人暮らしをしていた。
お孫さんがいるらしく
「孫ちゃんが可愛いの」
と嬉しそうに話す時があった。

ある時、彼女と一緒に組んだ仕事の経費の精算で
「私が一緒にだしておくから」と紙を渡され
すぐに自分の分を書いて、彼女に渡した。

それから3か月後、
上司が私に注意をしてきた。

「何で、今頃提出してくるの。とっくに閉めたやつだよ」
何のことかわからず、キョトンとしていると
その時の経費の紙の事だった。
あの人が3か月間、自分の机の引き出しに放置していたようだった。

しかも私の分だけ。
上司は「すぐに出してもらわないとこまるんだよね」
とかなり怒っている。

「え?すぐにだしてなかったのですか?
だしているとばかり~」
私が説明しようとすると
それを遮り、「これから気を付けてねっ」と言われて終わった。


人のせいにするのもなあ、と思い黙っていた。
彼女は自分で能力があると言っていたけど、
意外にだらしない人なんだと少しがっかりした。

彼女はその日は休みで、
先輩が声をかけてくれた。

「人に頼んだ自分が悪かったんです」
と言うと
「○○さんのせいじゃない?あの人はあまり信用しない方がいいと思う」
と小声で教えてくれた。

放置していた私の書類に気が付いた時、
「ごめんね。忘れてて提出が遅れたの。」と
一言私に声をかけ、上司にもそういう説明をしてほしかった。

他の人も、彼女から「私がやっておくから任せて」と
熱心に言われ、ならばと頼んだら、
実は全くやっておらず、
慌てて自分でやり直したとか
特にお金に関しての事は
絶対に頼めないと噂が入ってくるようになった。

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久し振りに、その人から仕事の事で話しかけられた。

当時の私は、夫はいないし、
下の子が小学1年で
帰宅時間は遅くならないようにしていた。

会社とそういう契約で働いていた。

そこに彼女が、
「私のかわりに担当してほしい仕事があるの」と言って来た。
内容を聞くと、
その仕事は夜までかかる事が多いとのこと。

時間的に無理だと説明したが
それでも、強引に頼んでくる。
「別に遅く帰ったっていいじゃない。
仕事を頑張ってよ」としつこい。

仕方が無いので
「夫はいませんし、まだ下の子が学校に慣れてなくて
しばらくは、早く帰宅したいんです。
会社にもそういう条件を受け入れて貰っています」
と家庭の事情を言うしかなかった。

すると、そこまで笑顔だった彼女の顔が引きつり
「子どもなんてほっとけばいいじゃない。
夜留守番できない様な子に育てたのはあなたでしょ!」
「家庭を気にして残業する気の無い人はだめ」と言い出した。

私は、
「何を言われても無理です。
すみませんが他の人に頼んでください。」
と言った。

彼女は、ハッとした顔になった。
しまった、と思ったのだろう。
会社の方針が「家庭を大事にすること」
「無理な残業はさせない」だったし
彼女には何の強制力もなく、
人に仕事を押し付ける立場でもなく、
こういう言動が会社に知られたらどうなるか。
ヤバい、と気が付いたようで
また笑顔になり「他をあたるわ。」と言って立ち去った。

つい、かっとなった一面を見られて
恥かしそうにした彼女を見たら
憐れに見えた。
何か1人相撲している感じ。

それ以降、彼女とはほとんど一緒にいる事も無くなった。


だいぶ前だが、私は体調を崩して休職していた時期があった。

下の子が小学校に入学した頃、職場に復帰した。
まだ完全な回復はしていなかったが
働かないといけないし、
薬を持ち歩き、何とか乗り切っていた。

その職場に私が復帰してすぐに
転職してきた女性がいた。

当時50代後半だったその人は
「前の職場で自分が優秀だったために周りから
妬まれて、居心地が悪くなったので辞めた」
と説明をしていた。


当時の自分より年上で、
若々しく、大人しい感じの人だったので
嘘を言っている様に見えなかった。

この人から色々教えて貰う事もあるかもと
思っていた。

ある時、彼女と一緒に仕事をする機会があった。

流石に仕事には慣れていて、
安心して仕事ができた。
契約先からの帰り道に
「私があの時、笑顔で対応したからうまくいったのよ。」
「私が、あえてああやったのが効果があったのよ。」
みたいな事を何度も私に話してきた。

単なるアドバイスかと思い、
素直に聞いていた。

でも、自己アピールの多い人だなと
夫みたいだとはちらっと感じた。

一緒に仕事していて楽だったので、
ま、いいかと気にしなかった。
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会社の研修が、日曜に行われた時があった。

彼女は利用客のフォローで仕事があると言い、
お客の所から急いで駆けつけ、遅刻してきた。
「お客様の都合で、仕方なく行ってきた」と言いながら
ばたばたと席についていた。

その時、私は彼女に違和感を感じた。

その日は、とても寒い冬の日だった。
皆、分厚いコートにズボンや
ブーツを履いて防寒スタイルの人で参加していた。

その中で、彼女は、
胸を開けたブラウスの上から薄手のジャンバー。
ひざ上ミニスカート。
素足にスニーカー。
見るからに、寒そうだった。

そういうファッションが好きなのは
個人の自由で良いと思うけど
この寒さで大丈夫なのかと驚いた。

ミニスカートの下は、タイツではなく素足だった。
冷えは大丈夫?と心配になるほど。
痛々しく見えた。

研修の部屋は、暖房がきかず寒かったのだ。

「その服装でお客の所で仕事してきたの?」と言いたいのをこらえ
「休みの日も、大変ですね」としか言えなかった。
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あや子さんと職場の部屋が別になった事で、顔を合わす機会も無くなるし、自然に私の事も忘れてくれないかなと思っていた。流石にアパートには来なくなり、職場でもエレベーター近くで見かける程度で、ほとんど会話する事も無くなった。

このまま彼女が会社を辞めてくれたら…と内心思っていた。

そんな時に、私の隣に座っている上司にトラブルが起きた。上司のトラブルというより、私の部署のトラブルでもあった。

原因はあや子さんだった。
大事な契約を前に、お客様からの来社予約の電話を、たまたまあや子さんが受けており、お客に失礼な対応をしていた。

お客から上司の名前を告げられると「その様な者はうちにはおりません。」と断り、「そんなはずはないはずです」と言われたところ「あなたは私のいう事を信じないのですか?失礼な人ですね!」と彼女が怒ったらしい。
そこから喧嘩の様になり、お客は怒って電話をきってしまった。
「社員教育もできていない会社との付き合いは考えなおそうかな」とお客は不機嫌に。


上司は、そんな事があったとは知らず、相手から連絡が無い事を不審に思い、お客に電話をかけてその顛末を知った。申し訳ありません、と何度も頭を下げ、どうか契約をお願いしますと菓子折りを持って相手先まで急いで行った。

そして、上司はあや子さんに注意した。
赤い顔で怒ってはいたが、感情をおさえて「社会人としてのマナーを勉強し直せ。君の対応で会社が損害を受けるところだった」と訴えた。
入社時に、先輩が指導したのだが全くだめだった。言っても無駄な人。

でも、注意しない訳にはいかない。

するとあや子さんは、ニヤッとしてこんな事を言い返したのだ。

上司に対して「あなた、そんな事私に言えるの?そんな資格あるの?私は知っているのよ。フフツ。あなたは独身の時、もてていたそうですね。社内で何人の女性に声をかけたの?あなたにもて遊ばれた人いたんでしょう?ばらしましょうか?」

「はあ?何を言ってるんだ?正気か?」と上司は驚き、というより恐怖を覚えて「ああもうダメだ。こいつおかしい」とその場を離れた。

この上司は、確かに過去にもてたらしい話は聞いたことがあった。でも、あや子さんの話は妄想にすぎなかった。仮に事実としても、そういう脅迫めいた事を言う事自体がありえない。

その件があり、流石に「彼女を病院で治療させた方が良いのでは」ということになり、上役がやっと動きだした。
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彼女の父親が頼んできたのは、こういう事だったのか。
大学ももしかしたらコネとかお金の力で?それとも途中からこうなったのか、とにかく普通じゃない娘に手を焼き、友人に頼んで採用してもらったということだったと言う訳だ。

何故、彼女はそんな風になったのだろう。先天性の病気なのか、家庭環境などで人格に歪みが生じたのかわからない。

彼女は私の前ではまともに振る舞っていた。今思い出せばよく口にしていたのは「父が嫌い。憎い。あんなやついなくなればいい」とお父さんを異常に嫌っていた。

父親との関係が何か原因になったのか、よくわからない。幼児期に虐待を受けて自己防衛の為に嘘をついたり、妄想を抱く様になったりしたのかもしれない。わからないがそうだとしたら不幸な事だ。

あや子さんは、上役に呼び出され、辞める事になった。上役はくびとは言わず、上手におだてて辞めるように仕向けたらしい。1年我慢して置いてあげたからもう義理は果たしたという判断か?

私宛に、あや子さんから手紙が届いた。

「私は会社を辞める事にしました。理由は、私はこんな会社でくすぶっている様な人間じゃないことに気が付いたからです。私は弁護士になることにしました。これから試験を受けるつもりです。私は本来、弁護士になるべき人間だったのです。未来が明るくなってとても幸せです。こんなさえない会社、りんごさんも早く辞めた方がいいですよ。では、さようなら」
みたいな内容だった。

彼女らしいなあと笑った。怨みつらみが書いてあったら怖かったけれど、ポジティブならいいじゃんとホッとした。個人的な被害妄想でストーカーの様になるパターンの人格じゃなかったことが救われた。

会社の人に「彼女は誰も恨まず、明るい気持ちで次の目標をみつけて辞めた様ですよ」と報告した。

皆、苦笑しながら、ホッとした顔で、久し振りの心からの安堵感で職場の雰囲気が再び元通りになった。たった1人の為にこんなにも全体の雰囲気が変わるのかとこの件で学習させられた。

「彼女のいた1年間て、何だったんだろう。何だか嵐みたいな日々だったね。ああいう人には一生に何度出会うだろうか。もう2度と出会いたくないね。」

と上司が言うと皆「うんうん」と頷いていた。

うちの夫もここまでではないが、あや子さんに似たタイプかもしれない。明らかに違う点は、親を嫌わず教祖化し、異常に執着していることか。

あや子さんは父親が嫌いだと人に言えた事が、夫より救われている気がするのだが…。



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