飛行機で行く都市部への旅行も良いけど、
電車やバスでのんびり行く田舎のミニ一人旅も良さそうと思った。
まず浮かんだのは、学生時代に父の転勤で両親が引っ越した町。
そこに両親は10年ほどいた。
(私が)大学で家を出る~結婚~初めての出産の時期だ。
引っ越し前に住んでいた持ち家は、親族に何年か貸していた。
私の結婚と同時期に改築した後は空き家だったので
両親は転居先と自宅を行ったり来たりしていた。
私も帰省先が2か所になり、移動が大変だった。
小さかった家が改築して少し大きく綺麗になったのは嬉しかった。
最初の出産をした場所が、里帰り出産とは言え、
自分の知らない土地だった訳だ。
田舎でのんびりしていて、運動に母とよく散歩をした。
その土地に住んでいた頃の母は、田舎の環境が居心地良さそうで落ち着いていた。
なので、最初の出産の時の母は優しかった。
環境のせいなのか、初めての孫の誕生だったからかわからない。
だから、あの町にはあまり嫌な思い出は無く、
学生時代の長期休みで帰省時には、お店で短期のバイトをしたり、
他県の友人が遊びに来たりして、楽しかった。
母と田畑の周りを散歩したり、買い物に行ったり
のんびりと癒やされる環境だった。

2人目の出産は、親が改築後の元の家に戻っていたので
場所的には自分にとっては良かった。
が、母の態度が酷すぎた。
そのせいか、産後の肥立ちも悪かった。
安静が必要だったのに、母は労るどころか暴言を吐く毎日、
世間には世話をしている優しい母を演じ、
裏では、私の食事を作るのも嫌だと怒り、私は動かざるをえなかった。
動いてはいけない時期に、家事をやらされ重い物を持たされ、
精神的に不安定になり眠れず、
なかなか回復できないのは当然な話。
母は口では産後は絶対安静と言っていたから
故意に動かせているのだと感じた。
勿論、自分で気を付けセーブはしていたが、
新生児の世話、自分の食事作りや上の子の世話も動くしか無かった。
父は出産なんて病気じゃないという昔ながらの人だし
母に任せっぱなしだった。
産後の肥立ちが悪いのは世間体が悪いと
まだ回復していないのに、無理やり家に早く帰らせ、
元気なふりをしろと言われた。
まだ手のかかる上の子もいたのに。
帰っても夫の存在は救いにはならなかったが、
それでも実家よりはストレスが少なくてかえって良かった。
母は私や孫が帰宅した後に、慌てて優しくなるの繰り返しだった。
いつも私が不機嫌になって帰るので、
そのまま縁を切られそうで不安になったのだろう。
実家での良い思い出と辛い思い出が錯綜する。
で、あの町を訪れてみようかと思った。
あの時の家はとっくに無くなっているし、場所もよく覚えていない。
行きたい場所は、あの家の周辺や散歩していた道、
唯一買い物に便利だったショッピングセンターなど。
もうすっかりさびれてしまっているかもしれない。
亡くなる前の母は、あの頃の事を思い出し
「何で具合の悪い娘を無理やり動かして帰らせたのだろうね。
そんな事をしてはいけなかったのに」
とこれもまた他人ごとの様に言っていた。
あの時の自分はおかしかった、悪い事をしたとか
そういう反省ではなくて、どうしてあなたはああなったのみたいな言い方だった。
まあでも、母の中にわだかまりとして残っているだけでも
どこかで自分を責めていたのかもと思う事にしている。
かなり昔の事でも、ここで思い出を吐き出しだり、
町を訪ねる気になったのは、心の整理になって良さそう。
どうやって行こうか、いつにしようかなど
計画するだけでも気分が揚ってくる。