今いる町にはこれまでの人生で一番長く住んでいる。
これからもずっと私はここに住み続けるだろう。

ここが子ども達にとっての実家になるわけだ。
末っ子は幼い頃からここで育ったので、この町と家への愛着が強い。
転校が多かった上の子等はどうなのだろう。

この町には上の子等が中~高の時に引っ越してきた。
長子は、やはり子どもの頃に住んでいた町に愛着があり、
毎年のように当地に旅行に行き、住んでいた町を訪ね友人に会っている。
私にとっても、結婚を機に引っ越して、誰も頼れる人もおらず、
不安な気持ちで子育てをした懐かしい場所。

ストレスの多い生活だったが、幼子に慰められた。
ママ友ができると色々と活動的になり、仕事に趣味にと充実していたと思う。
当時はまだ未来に期待があり、いつかきっと人生はやり直せる、良くなると信じていた。
時代も良かったし、若かったからだろう。今と全然違う。
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時の流れは嫌な記憶を薄めたり消したりして、良い記憶だけを残してくれる。
今年春に子どもとその頃住んでいた都市に旅行に行き、町を歩いた。
懐かしい町への想いは私より上の子の方が強く、毎年ここに帰りたいと言う。

私も一緒にあの町に毎年帰ろうかな。第3の故郷みたいに思えてくる。
子も当時の夫の記憶は無いのか消しているのか、父親の話は一切しない。
私や兄弟、友達との思い出だけを楽しそうに話す。

当時のママ友たちは、皆家を買って遠くに引っ越してしまいもういない。
誰にも会えなくていい。町を歩くだけで満足。
今の自分だけでなく、過去にそこで生きていた別の自分を思い起こすことで
窮屈な今の心の中が解放される気がする。
もっと近ければなあ。遠いから良いのかな。

またここに住みたいねと話し、一瞬そうしようかと考えてしまう。
周囲は大都会でも、住みたい町は今はさびれてしまい不便になっている。
田舎だけど便利さで言えば100倍今の土地が良い。 
どっちみち、もう引っ越す気力も体力も無い。
何だかんだで今の町にすっかり馴染めている幸せに感謝しよう。