いつもの事だけど、母に聞きたい事が沢山頭に浮かんでくる。 
あの頃、母はこう言っていたな、と記憶を辿ってみたりする。
当時は他人事みたいに聞き流していた事を今になって後悔する。

今の自分と同じ年齢の母を思い出す事が多くなった。
当時の母を、おばあちゃん、老婆と思っていたのに、
自分が同じ歳になっているのが嘘みたいだ。

母自身は、おばあちゃんだと自分から意識して振舞っていたが、
写真で見ると、見た目は今の自分とあまり変わらない。
私も若い人からすれば、おばあちゃんな訳だ。
素直に老化を認めなければ、イタイ老婆になりそう。

母は私よりずっと活発だった。
膝が悪いのに良く動き、良く歩いて、父の世話から家事、色々忙しそうだった。
私の年齢の頃は、頻繁に父と旅行に行っていた。
父に強引に連れていかれる感じで、
たまに気が乗らず、愚痴を言っていたりしたが、
後からは、楽しかったと話していた。

私の結婚に比べれば、安心感のある相手で幸せだったのではと思う。
私なんて、母に比べたら何もしていない。
ただ、子育ては母よりも長い期間やり、
夫も存在せず、精神的にはきつかったかも。
もし母が生きていたら、夢だったおひとり様生活が羨ましいと言うだろうな。
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私みたいに病院嫌いではなく、
ちょっとした事でもすぐかかりつけの病院に行っていた。
そこは全然違う。もしかしたら飲まなくても良い薬を飲んでいたかも?
それでも、長生きしたから良かったと思う。
母の方が100歳まで生きそうな気がしていたけど。

父がいたからと言う事もあるけど、
毎日しっかり3食作り、栄養もきちんと摂っていたことも長生きに繋がったと思う。
そこも私と違う。

あの頃の母に会って、今の自分はこうなんだけどどう思う?と聞いてみたい。
聞けないから、当時の母が何て言ってたっけと必死で思い出そうとするが
考えてみたら、大学から今まで実家を離れていたのだから
両親の様子は、たまに帰省した時のことしか知らないのだ。

錯覚をしていた。
両親が歳を重ねていく様子を見てきたつもりで見ていなかった。

両親はいつも元気で当たり前な存在だった。

弟は父が高齢で一人暮らしを頑張っているので
自分も元気で長生きするタイプかもと思っている様子。
ぜひ、そうあってもらいたい。

私はどうだろう。母とは生活ぶりが全く違う。
あんなに頑張らないし、動かないし、喋らない。
頼れる父とは違い、不安だらけの夫の存在もあり、
長生きしないかもしれない。

私よりも夫が先に逝ってくれたら、安心しまくり、
病気でも何でも怖い物は無くなる気がする。