テレフォンショッピングを見ていて、
いやいや、これはちょっと…??と思うものがある。
そういう物だとわかってはいるけど、
いつもどこか面白がって見ている。
”ひざにクリームを塗るだけで、痛みが消えて正座もできて
階段は手すりを使わず、トントン降りれます。”
魔法の薬の様に錯覚させる映像が流れる。
他のCMもそう。
最初に暗くて元気の無い高齢女性が、
”これを飲んだら、あら不思議、こんなに明るく元気になりました。”
感想の言葉は曖昧な表現を使い、法に触れないように気を付けている。
信じれば元気になる人も多いのかも。お守りみたいに。
身体の不調で、あれこれと悩んでいる人が見れば、
試したくなってくるのも理解できる。
きちんと効果を証明できるデータを示されたら
自分も試してみるかもしれない。
それにしても、元気によく動いておられる年配の方の映像は
演技だとしても実際若々しく、素晴らしい。
CMの商品を使ってこうなっているとアピールするけど、
自分は薬やサプリに頼らずに、あんな風にいつまでも動けたらいいなと思う。

子どもが高校生の頃は、お弁当作りで朝早く起きてテレビをつけると
流れているのはテレフォンショッピングばかりだった。
疲れてぼーっとしていても、あの賑やかで明るい雰囲気や
耳に残る音楽を耳にすると、目が覚めてきて明るい気持ちになった。
今でも、朝早く目が覚めた時にテレビをつけると
テレフォンショッピングが賑やかだ。
今早く目が覚めても、もうお弁当も作らなくていいし、
子どももいない。もっと寝坊してもいいのに何早起きしてるの。
なんて思いながら、まだ外が暗くて寒い台所に一人ぽっちで立つ。
誰もいない家で、当時を思い出して胸がきゅっとなる。
あの頃いた母も叔母も叔父も義妹もいない。
ここ数年で急に寂しくなったなあ、とまた胸がきゅっとなる。
過去の夫へのストレスも、子ども達を守る事に集中することで紛れた。
学校で色んな問題が起きて、親子で戦い乗り越えた事もあった。
楽ではないのはどのお宅も同じ。
それでも、終わってしまえばとても幸せな時間だったと思えてくる。
あの頃の未熟な自分も子ども達も愛おしくて抱きしめたくなる。
子育て中は、早く楽になりたい、一人になりたいと思っていたのに、
いざ実現すると感傷的になって勝手なものだ。
かといって、もう子育てする気力も体力も無いけど。
懐かしく思い出せる幸せな記憶は最高の宝物。