昨夜早くに寝てしまったので、今朝はかなり早い時間に目が覚めた。
寒かったけど起きて、テレビをつけた。
そんな時間にやっている番組は少なく、
NHKを見たら、三宅香帆さんという(若くて可愛い)文芸評論家の講話をやっていた。

短時間だったけど、内容がわかりやすく、
コーヒーを飲みながら聞き入っていた。

おおまかに内容をまとめると~

タイトル「全身全霊でなく”半身””で働くススメ」
今、社会人の読書離れが進んでいる原因は、
働き方に問題があるのではないかということ。

現代の働き方は、ノイズを排除した情報を求めることを必要としている。
読書=ノイズ=自分に関係無い情報と感じてしまう。

”読書で背景文脈や歴史的な知識を知る暇があったら少しでも行動した方がいい”
”何か自分のキャリアになることをした方がいい”
現代の働き方の主流がそうなっている。

それ故に、現代人はノイズの多い長い文章が読めなくなっている。

これは読書だけの問題ではなく、音楽の面でも同じ。
昔はアルバムを聞く時、好きな曲ではなくても聴いていた。
今では、好きな曲だけをサブスクで選んで聴くことができる。
漫画雑誌でも、昔は好きな漫画以外でも目に入っていた。
今はアプリで自分の好きな漫画だけ購入できる。

他でも様々な場所でノイズ除去の社会が広がっている。
ノイズ除去の社会は、自分に関係のない他者や自分から
遠い場所の文脈を想像する余力を失わせてしまう。

今こそ、ノイズを取り入れることが重要。
読書とはノイズを取り入れる上でとても良い手段。

その為には、働き方を変えるべきだ。
全身全霊で仕事をし、自分のキャリアの為になる余暇の使い方をするのではなく、
半身で仕事に向かい、余暇は仕事以外の文脈を取りいれることが必要。
仕事以外のノイズがうまれると、そのノイズは文章でも取り入れやすくなる。

ノイズを取り入れやすい働き方、それは半身ではたらくこと。
これからの日本の為にも、それができる世の中にならなければいけない。
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みたいな話で、ふむふむと納得した。
確かにそうだなあ。いつのまにか世の中変わってしまったなあと。

最近の短絡的な犯罪、闇バイトなどの問題も、
似た様なものかもしれない。
昔なら、お金に困ったら肉体労働や、
きつい仕事でも仕方なく働くものだったが
今は簡単にすぐ大金が入ることを望んで、簡単に稼げると言う言葉に騙されてしまう。
想像力が欠如し、捕まってもたいした罪ではないと言われ信じてしまう。

ノイズを除去する生活をしてきた為に、
視野が狭くなり、大事な情報や知識を得られていないという事なのか。

この話とは関係ないかもしれないけど、
長年、字を書く機会が減った。
友人と昔はよく手紙のやりとりをしていたものだ。
それが、メールになりラインになり、短い文のやりとりばかりになった。

手紙を書く作業もノイズをうむと言えるだろう。
相手の顔を浮かべながら、何を書こうかとあれこれ考え、
言葉を選び、文にまとめる作業が楽しかった。
いつのまにかペンを持って書く楽しみを忘れていた事に気が付いた。

朝から、真面目な気分になった(笑)。