前回実家に立ち寄った時、ご近所の様子が随分変わっていた。
弟から話は聞いていたが、現実を目にするとショックなものだ。
実家は、私が小学生の時に親が建てた小さな家。
途中、改築をして少し部屋は増えたが、
当時、まだ周囲は工事中で、似た様な世代の家族が後から家を建てては引っ越してきた。
ご近所さん達は母同様、高齢で亡くなったり、
施設に入ったりして、いつのまにか家が壊されていたり、
空き家のままになっている。
当時、一番早く引っ越してきた私の実家だが、今も父は元気で住み続けている。
寂しくなった、変わってしまったと父が嘆くのもわかる。
せっかく元気に長生きしているのに、こんなに寂しくなるなんて
父は想像もしていなかったのだろう。
母も近所の人も友人も皆自分と同じだけ長生きすると思い込んでいた。
そして我が子も。
私も弟もいつまでも若くて元気だと思いこんでいる気がする。
子が先に倒れるかもしれないと、弟の奥さんの件で少しは考えてくれないかなと期待するけど
かなり高齢だし、無理だろう。
少しは後の負担を考えて、家を綺麗にしてくれないかと
物を捨ててほしいと思うのだけど。
こうやって、世の中はアップデートしていく。
世代交代して当然だ。それだけ長い年数が経つのだから、
わかっているが、寂しすぎる。
弟は、長く実家の近くに住んでいるから、慣れていて何も感じてなさそう。
故郷から離れて暮らしてきた私にとっては、つい郷愁にかられてしまうのだ。

本音は、今身体が動くうちに、実家を思い切り掃除して、
母が居た頃の様に家を綺麗に戻してから、思う存分、実家で過ごしてみたい。
それができない今、近所の風景や住む人が変っていくのは、焦りも感じる。
実家も老朽化していつまで住めるかわからない。
自分の子どもの頃の思い出まで消えてしまいそう。
近所の公園や見晴らしの良かった丘には、マンションが建っている。
よくお使いに行っていたお菓子店も薬屋さんも無くなっていた。
一番変わったのは駅だ。
あまりにも変わりすぎて、ここはどこ?と迷ったくらいだ。
それだけ開発が進んで便利で綺麗な町になったのだけど。
と言いながら、今までで一番長くいて、今後も住み続けるであろう我が家の周辺も
住み始めた頃に比べたらかなり変わった。
開発が進み、都会的になった。
小学校は、田んぼや畑に囲まれて、子ども達には最高の環境だったのが、
ここ数年で全てが無くなり、閑静な住宅地と化している。
周囲の景色が変わると学校の佇まいまでこうも変わるのかと驚いた。
自宅の周囲も変わり、子育ての思い出が消えていく様で寂しいものがある。
それが時代の流れというものなのだから、仕方が無い。
昨日はわんこの命日だった。
たまたま遊びに来た上の子と思い出話などをして過ごした。
いつもは、金木犀が満開なのに今年は遅い。
金木犀の香りは昔から好きだったが、今ではわんこを思い出す香りとなった。
さて、今日は早めにお風呂に入り、選挙の結果を見なくては。