昨夜、また父の夢を見た。
以前に見た時と同じで夢の中の父は笑顔で快活。
現実でも会ったら嬉しそうな顔をするが、最近は表情が固い。
老化のせいだから仕方が無い。
母が最後に入院した頃から、別人みたいに頑固になった。
母が足の手術で入院した時は、10日間ほど私が父の世話をした。
あの頃の父は、毎日ご機嫌で、私との生活を楽しんでいる様に見えた。
食事の時間には、色んな思い出話を聞かせてくれた。
母にも話さない自分の兄弟との相続問題も相談してきたほど。
母が退院して私が帰宅する時には、父が寂しそうだと弟が言っていた位だ。
今では、私が10日も父の世話をしたら父は不機嫌になるだろう。
会えば嬉しそうだし、色んな話はしてくる。
が、何日も泊まったり、実家の掃除をするのを嫌がる様になった。
人がいるのが疲れるのだろうし、
掃除されたら、物をどこに置いたか普段から忘れっぽいから、
もっとわからなくなると気になるのだろう。
人に気を使ったり、合わせるのも疲れるのだろう。それは分かる気がする。
かといって放置はできない。
父が1人で暮らすにはいつか限界がくるはず。
夢の中では、会えてうれしいと満面の笑顔の父。
「会いに来て良かった」としみじみ思う私。
目が覚めて、前回と同じく父に何かあったのではないかと気になった。
何も弟から連絡が無いので大丈夫だろう。
本人の意志とは言え、高齢の父を1人にしている事が
自分の中でどこか後ろめたく、気になっている。
若い頃の父を思い出すと今の父の状態が可哀想で仕方が無い。
本人もまさかこんな寂しい生活になるとは予想していなかったのだろう。
同年齢の人よりも若々しく、スポーツ好きで、
退職後も理想的な老後を過ごしていた。
大きな病気もせず、今も元気で長生きしている。
母が元気な時、父は、いつも母がそばにいて自分の世話をし、
最後まで、スポーツを仲間と一緒にやり続け、
常に誰かがそばにいて、賑やかな人生のまま終わると思い込んでいる風だった。
今になり、こんなはずじゃなかったと寂しさを感じている事だろう。
母の事を今こそいてほしい、どんなに大事な存在だったか噛みしめている風だった。
家族の為に自分の事は後回しにして、必死で働いてくれた父。
夫とは全く違い、家族を守り父親の責任をきちんと果たした。
亭主関白、男尊女卑で、母には冷たかったが、夫、父としてやるべき事は果たしてくれた。
夫が孤独な末路になるのは自業自得で当然と思うが、
父のこれまでの頑張りを思うと、孤独な様子は可哀想になる。
弟が愚痴りながらも、たまに父の様子を見てくれるので助かっている。
父と弟にもっと感謝しなければ…。