自分がいつのまにか?歳を取っている事を自覚してから、
同じ年齢の頃の母の後に、母方の祖母を思い出した。
小説?朝ドラ?にできそうな尊敬する祖母の人生。
骨折さえしなければ、百歳以上長生きした事だろう。
小さい身体で良く動き、激動の時代を夫亡きあと、8人の子ども達を女1人で育てた。
当時の女子では珍しく、市外の師範学校に入り、教師になった人。
老後は、福祉関連のボランティアをし、地域の為に尽くし、地元の人から慕われていた。
広い敷地の家に1人で暮らし、畑作業もして働き者。
採れた野菜で作った祖母の料理は美味しかった。
趣味も多彩で、三味線や唄、踊りなどが得意だった。
お嬢様だった人が結婚後苦労したのに、自分を上手に管理できる人だった様に思う。
米寿のお祝いには、町中の人が集まり、大宴会が開催された。
そのビデオのデータを保存してある。
先日パソコンで観たら、そこに映っている人達はほとんどがもうこの世にいない。
若い頃の両親や親族の姿が笑顔で楽しそうだ。
当時そのビデオを貰った時は、自分は出産後で、遠い土地におり、
宴会に参加する余裕が無かったので冷ややかな気持ちで動画を観ていた。

今観ると、こうも感じ方が違うものかと驚く。
祖母は元気できりっとした口調で挨拶しているし、
母は今の自分より若い年齢で、お洒落をしている。
親族の人達も、あの頃が皆一番余裕があって幸せだったのかなと感じる。
もう今は、あの人もこの人もいないと思うと涙がでてくる。
でも、この動画の中に皆がいる。また会いたくなったらこの動画を観よう。
それにしても、今とは何もかも違う厳しい時代に祖母は女一人で
どれだけ頑張って生きてきたか、よく働き人の為にも尽くし、屋敷を守り続けた祖母。
それに引き換え、私はいったい何をしているのだろう。
無駄に何も成し遂げられずに生きて来た。
体力も気力も自信を持てず、ただ毎日だらだらと生きている気がする。
今、祖母と話ができたらな、どんな言葉が返ってくるだろうか。