古いCD類を整理していたら、懐かしいディスクが2枚出て来た。
それは、上の子がまだ幼児の時に買ったもの。
好きな洋楽をオルゴールの音で奏でているアルバム。
美しいメロディと優しい音が心を癒す。
夫に振り回され、子育てを1人でしながら結婚を後悔ばかりしていた当時、
このCDをかけながら、気を紛らす為に本を読んだり、友人に手紙を書いていた。
毎日が人生やり直したいと思いながらも、まだ夫への期待感もあり
無邪気な子供達を見ていると悲しくなったり、複雑だった頃。
どこかで、まだ若いから全てリセットしてやり直せるかもという
夢を持つことでどうにか気持ちを保っていた気がする。
親に相談しても、世間体第一で冷たく、誰も助けてくれない状況に
夫は益々調子に乗っていたと思う。
久し振りにこのCDを聞いていると、当時の自分が蘇る。
よくここまで来たなあと思う。
子ども達に感謝しかない。
世間体の悪い事には冷たかった両親も、
時々、遊びに来て子ども達が寂しくない様に気を使ってくれた事もあった。
昨夜、下の子が泊まりに来た。
朝おしゃべりしていたら、体臭の話になった。
汗をかく時期、これから臭いに気を付けなきゃねなどと話していた。
「そう言えば(夫も)臭かったよね、ゴミ部屋に住んでいるからね。
あれでは、誰とも暮らせないよね。周囲に迷惑をかけているかも。
注意してもキレて聞かないからどうしようもない」
と私が愚痴った。
神経質な下の子は、以前夫の臭いに拒否反応を示していた。
不衛生にしている臭いなので、気を付ければ消える類のもの。
下の子は、幼児期から夫とは暮らしていないので、思い出がほとんどない。
あまり詳しく知らない下の子は、内心まだ夫に期待しているのでは、
父親を好きなのではと思っていたので
私からは、夫の悪い話はあまりしない様に気を付けていた。

夫の話題になった時、下の子が
「あんな奴、一緒に住めないどころか、二度と帰って来させない!絶対に二度と会いたくない!」
と叫んだ。我慢していた怒りを吐き出した感じだった。
大人になり、社会に出てはっきり確信したのだろう。
どう考えても、父親としてありえないと。異常だと。
友人のお父さんや、先生、上司などを見て、
大人の男性、父親というものがどういうものか、
自分の親と比べてしまうのは当然だ。
ずっと辛い思いをしてきたのだろう。申し訳ない。
これまでは、周囲には、父親は単身赴任していると言って誤魔化せた。
でも、ここ数年卒業、就職しても無視、お金も一円も出さないし
数年間、事務的な用以外は、連絡しても無視され帰宅もしなくなった。
妻子と何かトラブルがあった訳でも無く、全て夫が勝手に行動しているだけ。
成長した子ども達は、結婚も意識する年齢になった。
もし、結婚となると相手の両親に父親のせいで反対されたらと不安なのかもしれない。
堂々と親の事を話せない子の辛さを何も考えない夫。
子の足を引っ張る父親なのだ。
「こんな父親なのに、皆まともにちゃんと育ってくれたね。」
と私が言うと、下の子が
「父親がいなかったのが逆に良かったと思う。もしずっと一緒にいたら、皆病んでいたかも」
と答えた。
よくわかっているじゃないの。私は夫と血の繋がりは無いけど、
血の繋がる子どもが親のことをそんな風に思わざるをえないのは辛いだろうに。
下の子は私と同じ思いを持っていた。可哀想で申し訳ないこと。
もう大人だし、将来は、我々を反面教師にして良い親になってほしい。
これからは、気にせず夫の事(縁切り)を相談できそうだ。
と言っても、いざと言う時にしかしないつもりだけど。
世の中、DV,モラハラ親が事件を起こしたり、
頻繁に虐待する父親の話題も耳にするので、子ども達も抵抗が無くなったのかもしれない。
これで今後、下の子は夫をきっぱり拒否し、騙される心配はないだろうと安心した。
少し心が軽くなった。
全て夫の自業自得。