弟は用事が早く済んだので、予定より早く帰って行った。
私に食事の世話をさせるのに気を使ってという事もあるだろうし、
家の方が落ち着くからだろう。
短い時間だったけど、長く思える様な過ごし方だった。
昨夜は、急遽子ども達がきて賑やかになった。
弟が来る事は伝えたけど、呼んではいなかった。
各自それなりに弟に気を使ってくれたのだろう。
急遽人数が増えて料理の分量が足りないかもと焦ったけどどうにか大丈夫だった。
多めに作っていて良かった。
こんな時、昔の女性は強かったなあと感じる。
母も大勢の来客があっても、嫌な顔をせず食事の準備をして良く動いていた。
料理は下手だし、好きではないのに、客に対しては頑張って(同じメニューだったけど)
笑顔で接待していた。
(その反動が私に向かっていたのかもしれない)
今の私はあんなに動けないし、もう頑張れない。
今の自分は、大人数の食事の準備をする事も無い生活。
久し振りにやると、とてもしんどく感じる。
そして酸欠みたいに頭がぼーっとしてくる。
衰えと言うのは怖い。
自由で楽になったのは良いが、簡単に出来ていた事ができなくなってくる。

どうにか皆で御飯を食べて、弟を囲んで賑やかに過ごして私も心は満たされた。
仮に大人数で暮らし始めても、続くうちに慣れて来るのだろうが、
おそらく私は、このまま1人暮らしで、どんどん弱くなっていくのだろう。
夫と同居は想像できないし、したくもない。
父の様子も色々聞けた。相変わらず家の中を勝手に触れないみたいだ。
片づけたくても弟も掃除機をかけるのが精一杯らしい。
不衛生で、換気もしないので、家がだめになっていく。
いつか、実家に誰もいなくなった時、
壊す前に、しばらく暮らしてみたいと思っていたが、
このままでは叶わないかもしれない。
今夜あたり、母が夢にでてこないかな。
あの子(弟)を楽しませてくれてありがとう、安心したわと。