たまに寂しそうに家の話をしたり、
過去の辛い思い出を話してくれる子もいたが、
話すと後はまた笑顔で元気に過ごしていた。
私はただ聞くだけで、黙って見守っていた。

元日の朝早くから、我が家に来た子もいた。
「両親は深夜まで仕事だったので、疲れて寝ている。
うるさくて眠れないから外に行けと言われた、だから遊びに来た。」
と言って、いつもの様にうちに来た。

その子と一緒にお節を食べ、お参りに行き、
正月を過ごした事もあった。当時は何も抵抗なくそうしていた。
子どもが友達と一緒で嬉しそうだったし、
賑やかで私も楽しかった。深刻に考えず気楽に。

その頃のアルバムを見ると、全部写真に残っている。

今と時代も全然違っていたし、今思えば嘘みたいな話だ。
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親の暴力からかくまっていたのかどうかは
はっきり覚えていないが、どんな事情があっても関係なく、
歓迎していたので、その子にとっては、
私が雰囲気を察して家に入れていた様に思っていたのだろう。

結果的に、その子を守れたなら良かった。
現在は、お父さんは病気をして弱り、暴力も無くなり、
良い関係になっているそう。

引っ越し後、夫が出ていき、私が外に働きに出始めると、
なかなか同じ様にはできなかったけど。
どこに住んでも、子どもがよく遊びに来る家ではあった気がする。

中には、問題行動をするお子さんもいた。
目撃した時には、きちんと対処はしてきた。

すっかり忘れて居た過去の自分のこと。
少し心がきゅっとして、あの頃うちに来ていた子ども達の事を思うと
涙が出そうになる。

上の子が、久し振りに会ったその友人から、
当時のお友達の近況を聞いた話によると、
皆立派な社会人になっているそうだ。当然だけど。
結婚して親になったお友達もいる。
皆無事で頑張っている事を知り、また涙が出そうになった。

私にとってこの話は、思いがけない素敵なクリスマスプレゼントになった。