買い物に出たら、どこも人が多くて空気も悪く、
気分が悪くなるので何も見らずにさっさと出た。
別のモールにも移動したけど、凄い人。

お昼をどこかで食べようと思っていたが、
食事のできる店はどこも長い列。
インフルエンザも流行っているし、感染が怖くなった。

(我が家には縁の無い)ボーナス(夫は無いと嘘を言う)
が出た時期、クリスマス前、コロナ禍の反動もあって、子ども連れが多い。
 
お昼は家に帰って食べた方が良さそうだなと思い、買い物もやめて帰る事にした。
帰り道、ホームセンターでの買い物を思い出して、立ち寄った。
車から降りると、ホームセンターの建物の裏にラーメン屋さんの看板が見えた。
普段行かない場所なので、存在を知らなかった。

お店の前には車は1台しか停まっていない。
建物は形はお洒落なのだけど、かなり古くて汚い。
もしかして営業していない?
廃墟?と思って近づくと、営業中の札が見えた。

こんなにどこも混んでいるのに、このお店ガラガラで大丈夫かなと思いつつも、
その日はラーメンが食べたくて仕方が無かったのだ。
潰れた店みたいな、廃墟みたいな佇まいも逆に気になった。

意外に穴場かも。常連さんが支えている店なのかも?
好奇心で入ってみた。というか、お腹がすいてとにかくラーメンを食べたかった。
入口ドアに「当店は現金払いしか受け付けません」と書いてあった。
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中に入ると、昭和の喫茶店みたいな雰囲気の内装がしてあった。
古い壊れた汚いクーラーを壁につけたままで、横に新しいエアコンが付いていた。
もしかしたら、最初はお洒落な喫茶店だったのかも。
建物も、山小屋風だ。
テーブルの横にはそれぞれ出窓があり、外の景色が何だかイイ感じに見える。

古いけれど、壁は塗り替えてあるし、テーブルもきちんと清潔にしてある。

所謂、威勢のいい男性がやっている様な、
スープの臭いが漂う様なラーメン屋さんでは無い。
厨房は目隠しがしてあって見えないが、
聞こえる声から判断すると、年配の女性が1人で作っている。
別の年配の女性が1人で配膳担当し、女性二人でやっている様だった。

カウンターには、中年男性が1人座っていて、
ラーメンライスのセットを頼んでいた。

私は、テーブル席に座った。
客は男性と私の二人だけ。
静かで声を出すと響く。
注文をするのに、ベルが無く、呼ばないといけない。
「すみませーん」と何度言っても反応は無く、
すぐそこにいるのに、何度か叫んでやっと来てくれた。

ラーメンはとても美味しく、満足した。
空いているから空気が綺麗だし、
「孤独のグルメ」に出て来る様なお店だなと勝手にウケていた。

こちらに旅行に来た友人などが、ラーメンを食べたいと言ったら、
ここに連れて来るのも良さそう。
高校生の頃、学校帰りにたまに喫茶店に寄って帰っていたが、
あの頃の喫茶店の雰囲気と、美味しいラーメンを一緒に味わえた感じだ。
別世界に舞い込んだみたいで、旅行に行ったような感覚だった。