久し振りに韓国ドラマを観ている。
観始めると止まらない。
 
今観ているドラマのあるシーンが心に残る。
問題のある男と結婚したいと願う娘に反対する両親。
お金持ちで権力者の一人娘。
両親は娘が幸せなら、と最後は折れる。

問題のある男なので、結婚しても娘の悩みは尽きない。
それを心配しながらそっと見守る親。
父親は何かあるごとに、娘に語り掛ける。
「いつでも帰ってきていいんだよ。私達はお前の幸せの為なら何でもする」

この「いつでも帰ってきていい」と言う言葉。
私の世代では「結婚したら我慢するのは当然。簡単に別れるな、
帰ってくるな。」と言って送り出すのが当然の様な風潮だったと思う。
経済的にもう面倒は見れないという事情や、
出戻りと言う差別的な世間の目があって、
親としてもそんな目に遭わせたくない気持ちもあっての
色んな意味の言葉なのだとは思う。

私の思う「いつでも帰ってきていい」は
「嫌なことがあればすぐに別れていい」と言う訳ではなくて、
「どうしても無理、自分が壊れると感じたらいつでも両親の元へ逃げてこい」
という意味だと思う。

ドラマの中でも、そういう意味で父親は言っていた。
それに甘えず、娘はどんな困難でもふんばり、親に心配させまいと頑張っていた。
が、もう限界となった時、両親に助けを求めた。
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知人の中にこんな人がいた。
結婚式の日、娘に「すぐ別れて帰って来たらいいのよ」と言った母親がいた。
周囲の人は呆れていたが、母子家庭だったので、
娘を取られた気がして寂しかったのかなと聞き流していた。

その母親は、今思えば毒親みたいな人で、
娘をコントロールできなくなったのが嫌だった様だ。
娘の幸せよりも自分の為に生きてほしいと願う人に思えた。

案の定、娘の家庭をかき回し、お婿さんの実家にまで悪態をついたりして、
結果、娘は離婚するまでに追い詰められた。
母娘で再び暮らす事になったが、娘は以前とは違っていた。
母親の因果応報か、結果的には娘から虐待を受け続けた。
老後は、周囲との縁を全て断ち切られ、施設に入れられた。

そういう意味の「いつでも帰ってきていい」ではなく、
愛情のある「いつでもあなたの味方だよ、あなたを信じて居るよ」と言う意味だ。

いつでも逃げ込む場所があると思うと多少の困難も耐えられる。
子育てと同じだ。
安心できる家の存在が、子どもの成長には必要。
自分は夫の事があって、その点が常に気がかりだった。
居心地良い家にしようと気を気を付けたつもりだが、どうだったろうか、
親として申し訳ない気持ちだ。

全員が家を出て自立した今の方が、ここが逃場になれる様意識している。
そんな事が無いのが一番だけど。
連絡が無い方が寂しいけど安心ではある。
自分のいる場所が一番安心できるならそれが最高だ。