持ち帰ったお宝品の中に、同人誌10部がある。
学生時代の友人の中に、小説を書くのが趣味の、自称?文学青年ぽい人がいた。
私も当時は本が好きだったのと同じビートルズ好きで、
彼は唯一趣味の話が合う相手だった。

彼から「小説好きな仲間で同人誌を作る事になったので読まない?」
と、発行する度に私に渡してくれた。
連載を書いていた彼は、照れくさそうに感想を聞いてきた。
私は何て答えていたのだろう、覚えていない。

そんな記憶も、段ボールを開けるまですっかり忘れていた。
紙の色は黄色くなっていたが、綺麗な状態。
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当時の私は自分に自信が持てず、サークルに入ったものの
人と接するのが苦手で、仲良しの友人以外とはうまく話せなかった。
そんな私でも馬鹿にせずに接してくれる有難い存在だった。

あれから何十年。
彼にとってこの冊子はどんな存在なのだろう、
今思い出してどんな風に思うのだろうと興味が湧いた。
もしかしたら、是非それが欲しいと言われたら送ってあげたいし、
近況も知りたいと思い、メールをしてみることに。
年賀状は今までやり取りしているので抵抗は無い。

元気なのだろうか、病気していないだろうかと
一瞬心配したが、すぐに元気だと返信が来た。

「懐かしい、自分は全部捨ててしまって何も残っていない。
どんな事を書いていたか覚えていない、変な事書いていないか気になる。
思い出の品を持っていて羨ましい、大事にしてね」
との事だった。
ビートルズの話題などもやり取りした。

彼との会話の中身は、あの頃と何も変わらず同じ。
お互い歳はとり色々な経験はしたけれど、
本質はあの頃のままということを確認できた気がした。

父が捨てなかった段ボールの中から
思いがけず、懐かしい友人の近況まで知る事できて良かった。Σ(=゚ω゚=;)