出身地、県外のあちこちに友人はいるけれど、
自分に友人が少ない感覚がするのは、
親友との悲しい別れがあったせいかもしれない。
若くして脳腫瘍で亡くなった大事な人。

乳癌と戦い、回復してから3年後に脳へ転移してしまい、
ご主人が異変に気が付いてから亡くなるまでの戸惑いは
大変なものだったろう。

学生時代、学校で会うのに、アパートに手紙を送ってくる人だった。
葉書きになると、小さい字でびっしりと書いてあった。
面白おかしく、ユニークな文章で。
お互い、貧乏アパート暮らしで、泊まりあっていた。

裏表の無い人で、私のダメなところもはっきり教えてくれた。
どんな厳しい事を言われても、彼女には誠実さがあり、
ぜんぜん腹も立たないし、落ち込む事も無く素直に受け入れられた。

あの頃の仲良しグループの中では、一番遅く結婚したけれど
私から見れば、彼女は誰よりも一番良い相手と出会い、
一番幸せそうだった。

実際、とても順調で幸せそうな手紙がよく届いていた。
私は、おそらく何も夫の事は書かず、
子育ての事だけを無難に書いていた気がする。
仮に愚痴をかいていたとしても、
彼女は余計な事は何も言わなかったと思う。

あなたの信じる道をあなたらしく生きて行って。
と応援してくれたかもしれない。
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前にも書いたが、彼女の不思議な夢を見たりして
あの世はあるのではないかと思う気持ちにもなった。

誰でもいつかはこの世を去るとはいえ、
無念で気がかりなまま去っていく辛さは耐えがたい事だろう。
これから子どもの成長を楽しみにし、母親が必要と言う時に。
あんな良い人を、幸せな家庭を
神様は何故、残酷な事をするのだろうか。
理不尽なことが多すぎる。

彼女が元気で近所にいたら、どんなに良かっただろう。

私は根底に人間不信がある。
ちょっと気を使う人と話していると、
頭がぼーっとしてくる。
無意識に緊張していて、呼吸がおかしくなっている。
親友と思える人が存在することの素晴らしさを特に感じてしまう。

コロナ禍が更に拍車をかけて、
益々世界が狭くなった気がする。
旅行に行きたいが、9波とインフルも蔓延。
弟の奥さんみたいに、帰れなくなったらと思うと躊躇してしまう。