最近、家にいる間、思っている事を声に出している。
誰もいないのに、いないから?ぶつぶつ言っている。

つい人前でそれをやってしまうと、人からジロジロ見られる事になる。
それに言ってはいけない本音みたいな事を、
相手の前で声にしてしまったら大変だ。
気をつけなくちゃ。

母がお茶碗を洗いながら、よくぶつぶつ独り言を言っていた。
いつも何か怒ってて、言葉は聞き取れないが、
気持ち悪いのでやめてほしかった。
おそらく本人は、声を出してることに気が付いてない。
「その文句、聞こえているよ」
と教えてあげれば良かったが、
当時は、何を言ってもうるさいと怒られそうな雰囲気だったので
言う事もできず、我慢していた。

実家の家事を絶対手伝わない弟夫婦が、食器洗いをしなくて済むように
食洗機を置いた。
よかれと思っての事だろうが、母は、頼んでもいないし、
狭い台所が益々狭くなって不満だった。
私に愚痴るが、弟には気を使って言わなかった。


実は、台所での洗い物と言うのは、良い気分転換と、逃げ場になる。
人が沢山来ていて居心地が悪かったり、
ちょっと休みたい時とかは、洗い物をするふりをして逃げる。
夫と顔を合せたくない時などは特にそう。

YATsan1203428_TP_V

夏などは、水が気持ち良い。
母が洗い物をしながら、ぶつぶつ何か言っていたのも似た様な事だろう。
嫌な事、怒りは、洗いながら流していく。
台所が綺麗になった頃には、気分もすっきりしている。

そんな母に対して、食洗機を使え、手で洗うなと弟は強制していた。
奥さんは喜んで使っていたかもしれないけど、
家事が好きな人もいるって事を知らないのだ。

仕事が忙しくて、家族も多くて、洗い物が山ほどになって
くたくたで負担になるお宅なら、自分だって喜んで食洗機を使う。
でも、そうじゃないから必要ないだけ。
新築の家なら食洗機は完備してあるのだろうし、
個人の好みなので、否定するわけじゃない。

家事は、脳トレ、運動にもなり一石二鳥。
特に歳をとってから、家事をしなくなったら老化が進みそうだ。

子育て真っ最中の頃は、家の中で椅子に座る余裕もなく動いていた。
あの頃、夫が食洗機を買って、少しでも気を使うようなところがあれば、
喜んで使っただろうが、とんでもない人だった。

余裕があって必要ない家に食洗機を置く弟。
貧乏で、夫に虐められ、子育てと仕事に追われる自分には何も無かったという皮肉。
結果的には、それでよかったけど。
洗い物をする時の気持ち良さを知ったから。