最近,観終わったネットフリックスの海外ドラマ「メイドの手帖」は良く出来ていた。 
実話を元に作られたフィクションであるが、
体験談を元に、リアルな描写で最後まで目が離せなかった。

(ネタバレあり)
主人公は20代の若いママ。2歳の娘がいる。
夫の精神的DVに耐えられず、娘を連れて家を飛び出す。

心から頼りになる人はおらず、お金もなく、
娘を連れて寝るところも無く途方にくれるシーンには
心が痛くなる。
それでも、手を伸ベてくれる人はいる。
甘えて良いのだよと言われ、一時的には頼るのだが、
感謝の言葉は常に口にするも、安心して過ごせる場所は無い。

最終的には、DVシェルターに入る。
そこからの、自立へ向けて色んな苦労を体験し、
ラストは、明るい未来に向かって挑戦するシーンで終る。

最初、福祉事務所的?な窓口で
「私は暴力も振るわれていないからDVは受けてない」と言い、
DV被害者という自覚は彼女には無かった。

夫は、直接暴力は振るわないが、物を投げて、怒鳴り、恐怖を与える。
「俺が食わしている」「俺に黙って勝手に決めるな」と妻を怒鳴ったり、
勝手に妻の物を処分したり、携帯も取り上げる、
アルコール依存症の夫は、お酒が入ると暴れ出す。

それ以外の時は、優しく妻の親にも優しく気に入られている。
妻の親の病気や問題事にも一生懸命尽くしてくれるので、
親の問題に疲れ切った彼女は、夫を頼り、また家に戻ってしまう。
すると、夫の支配、束縛が強くなり、彼女は感情を無くしていく。
                              
c502ee467411d39c82b1a8efb744e281
                    (NETFLIX)
夫が、娘の前で暴れた時に、彼女は我に返る。
戻った私は馬鹿だったと後悔し、
娘を抱いて、再び着の身着のまま家を飛び出す。

母子が途方にくれると、誰かが助けてくれるので
そこは見ていて救われる。

彼女は、シェルターに再び戻ってやり直す。
そこの担当者がとても優しく、心理的なDVもあるということを説明する。

主人公の母親も、かつてはDV被害者で離婚。
精神を病んでおり、彼女は母の事も気にかけている。
父と夫は同じタイプなのだった。

父親は、助けようとしてくれるのだが、
「ただの夫婦喧嘩だろう。彼もお酒を辞めようと頑張っているし、
暴れるのはお酒のせいなんだし、許してやれよ」
と夫をかばい、裁判で争う彼女に我慢する様説得する。

「あなたもママにDVしていたじゃないか。お酒のせいで済まされると思っているのか」
と、彼女は父親に抗議する。

この父親の意見は、世間の誤解や無理解を表していると思う。
DV加害者本人は自覚が無く、被害者を責める傾向もあるあると感じるシーン。

共依存になっていて、シェルターと家を数回行き来してやっと縁が切れる、という
台詞もあった。子どもがいると、親権の奪い合い、DVの証明など裁判になると
本当に厄介だなあとも感じた。

出て行かれた夫は、妻子を探し回り、優しい態度で
「生まれ変わるよ、子どもの為に努力するよ」
と説得して、妻子を連れ戻す。

夫が変わってくれると期待して家に戻っても、
現実は更に悪化していく。

描写が本当にリアルで、我が事の様に感じられた。

このドラマの様に、暴れたり、叫んだりする場合は
記録したり、証人がいれば、DVを証明しやすいが、
陰湿で静かな虐待のタイプは証明が難しいと思う。

DVから逃げたくても勇気がでない、
自分は正しいのかと1人で悩んでいる人には励みになり、
1歩踏み出す力を与えてくれるドラマかもしれない。