もうかなり昔の話。
夫との出会いというか正しくは再会なのだけど、
久し振りに会ったのに、最悪だった。喧嘩別れをした。
今思えばあの時の夫の行動に夫の本質が露呈していた。
当時は、人格障害の研究も、モラハラ、DVという言葉も
世間には知られておらず、私は若くて無知だった。
お互い遊び仲間の一人で、顔を知っている程度だったし、
共通の友人の事を聞きたくて連絡したら、
久し振りだから会って話そうと誘われたのだ。
その時の夫は、共通の友人の話題になると、批判ばかりしていた。
「あいつは俺に相談しないからだめなんだ」
が口癖だった。
まだ人生経験も未熟な年齢だったし、相談するほど信頼関係が無いかもしれないのに
どんな人でも、自分の指導を聞くべきだ、みたいな
それこそ、何様?と言いたくなる、当時から自惚れた奴だった。
夫は、当時から悪徳商法に騙されている風で、
自分がいかに勉強熱心か、優れているか、努力家かを話していた。
悪徳商法であることは、当時すでに有名な会社であり、
それ位の情報は知っているはずと思ったが、
当時の夫は、信じ切っており、
そういう事にお金をかけるのは立派な事だと自慢した。
私は、黙って聞いてはいたが、賞賛や同意できる話題は無かった。
嫌な話ばかりしてくるので、話題を変えようと、
当時、都会の真ん中で忙しく働いていた私は上司に恵まれ、仕事を覚えるのが楽しいと話した。
すると、夫は、それまで笑顔で穏やかな態度だったのに、
目を吊り上げ、口をとがらせて言った。
「ふん、君は社会をわかってないね。何様なの?どうせ何もできないんだろう。」
と不機嫌というか、必死でマウントとろうとしてきた。
で、あの頃、おそらく私は、弱くて、自信が無くて、
思い通りになるタイプだと思われていたのだろう。
友人の批判をしたり、(悪徳商法に騙されてるとも知らず)お金をだして
勉強していると自慢をすれば
私が「わあ凄い!尊敬するわ」
と一目置くとでも思ったのか.,
うまくいけば、そのまま洗脳、支配できると期待していたかもしれない。
一言も称賛せず、自分の仕事の話を活き活きと話してきたのが
予想外で、気に入らなかったのだ。
どうにかして平伏させよとうと、むきになったわけだ。
その時の、夫の顔つきが本当に酷かった。
あの時、私は何がなんだかわからず、腹が立ってきて、
「今のあなたの態度はとっても失礼よ。意味がわからない。
せっかく楽しくすごそうと思ったのに不愉快よ。そんなに私が嫌いなら帰る。
さようなら、もう二度と会う事は無いでしょう。」
と捨てセリフを吐いて、私は席をたち、お金を払い、さっさと帰った。
タクシーを待っていると、慌てて追いかけて来た夫が
あたふたして、意味不明なことをぶつぶつ言っていた。
タクシ―に乗り込む時に、
夫が寄って来たので、再度「もう二度と会う事はないから安心して。」と嫌味を言った。
当時の私は、夫に関心も無く、
どうでもよい人だったので、本当にもう会わないつもりだった。
ただ、大事な時間を無駄にさせられた怒りは引きずっていた。
その後しばらくして、夫が電話をしてきたが、でなかった。
すると手紙が届いた。