もっともっと物を捨て、家の中をすっきりさせたいが、なかなかできない。
実家の山ほどある母の衣類も気になっている。
父が勝手に捨てる前に、自分で整理したい。

自分の衣類を整理していると
いつか、子ども達が私の遺品整理をしながら
「こんなに沢山物を増やして~、片付けが大変だ~」
なんて愚痴る様子が浮かぶ。

今の自分と同じ歳だった頃の母はどんな髪で、どんな服を着てたっけ?と
思い出そうとするが、離れていた事もあり、思い出せない。

写真で見てみると、こんなに元気で若かったっけ?
こんなにお洒落してたっけ?
と、当時と今の母を見る目が変わっている事に気が付く。

結婚後は、自分から見て、母はいつでもお婆ちゃんだった。
今の自分と同じ年齢でも、当然その時の自分が若いので
ずっと母はただのおばあちゃんでしかなかった。

今写真を見ると、同じ顔なのに、全く違って見える。

当時は、気にもしていなかった母の顔、化粧、服。
今見ると、年齢に応じてしっかり女性としての身だしなみをしている。
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私より、経済的には楽だったはずで、服にしても高い物を着ている。
安物しか買わない、引きこもりの私より、
交際が多かった母は、いざという時は、本物のお洒落をしているのだ。

当時の私は、この服どう?どっちがいいかな?と聞かれた時など
母のことをぞんざいに扱っていた気がする。
(母への不満が常にあったからだろうが)

今の我が子達も、私に対して同じ様な目で見ているのだろうなあ。
親は親にしか見えない。
元気だったから、まさかいなくなるなんて思っていなかったから。
そういうものなのだろうか。

母が病気になって、髪が抜けてしまった時の辛さは理解できた。
弟夫婦は、母が相談しても無視した。
私がウイッグを買ったり、帽子を買って送った。
あの時の母の孤独感を埋められたのは良かったと、悔いはない。
自分がもし、同じ立場になったら、どうしてほしいか、
自分がしてほしいことを母にしただけ。

あれができたから悔いは無い。と自分を慰める。

どんなにお婆ちゃんになっても、
お洒落をするのが面倒臭くなっても、
頑張って清潔感だけは無くさない様にしようと思う。