一時期、夢に出てこなくなった母が、
最近、よく夢に出て来る。
夢でも会えると嬉しいのだが、
今朝は目覚めが悪く、今でも思い出すと悲しくなる。
夢の中の母は、在りし日の母と少し違う。
笑っていない。
自分は、母をもういなくなった人として夢の中で接している。
昨日の夢は悲しかった。
私が実家に帰省していて、
(母がショッピングカーを引いて
毎日歩いて通っていた)スーパーに、
買い物に行った夢。
スーパーに入ろうとすると、
買い物が終わり、帰ろうとする母にばったり会う。
私は、母が何故いるの?と驚き、霊?かと思って話しかける。
母は「晩御飯の材料を買いに来た」と無表情で言う。
いつも沢山買い込んでいた母の手には
小さい袋1個だけ。
母と一緒に店に入り、買い物に付き合ってもらう。
母は小さく弱々しい。
現実なら、母の方がお喋りしてきて、
溌剌としているはずだった。
夢の中の母は、寡黙でどこか悲しそうなのだ。
母の手には小さい袋。
「今日は、買い物少ないね。カートが無かったから?
ああ、ごめん、あれ、私が形見に持って帰ったんだと言いかけて
母が亡くなった事を言ってはいけない、母は、自分はまだ生きていると思っているのだ。
と感じ、入院中に、借りたままだったから、返すね。」
と誤魔化した。
うん、お願い、とだけ呟く母。
どんなに体調が悪くても、誰も手伝わなかったからか、
父の世話をしなくちゃ、と思っている様子。

母は、自分が亡くなった事を知らず、
退院して、帰宅し、また元の生活に戻っているつもりなのだ。
元気の無い母に、
父の話題をして、お喋りしようとする私。
つい「あれからね、父が母の荷物を勝手に処分しようとしたのよ」
と愚痴を言いそうになり、慌てる私。
母の声も弱く、ぼそぼそと話す。
私は、夢の中で
「母は亡くなっていない。退院してまた元の生活に戻ったんだ」と
自分に言い聞かせたところで、目が覚めた。
母の夢には、自分の深層心理などが影響しているとは思うが、
母からのメッセージもある気がしてならない。
ただ、母の声、しっかりとした意志を最後まで
聞いていた自分としては、
母自身は、あの時期にこの世を去るのは、無念だったことは確かだ。
やり残した事があり、
それを目標に頑張って長生きするつもりだった。
その為の努力をしていた。
今、私が夫より先に、となったら、
母と同じで、悔しくてたまらないと思う。
だから、あんな夢を見たのかな。
母は今も、いつもの様に買い物に行っているのかも。
実家で、父に不満を持ちながら、
しんどい身体で、料理を作っているのかもしれない。
目には見えないけど。
そして時々、私の所にも来て、
安心してまた父の所へ帰っていくのだろう。