探し物をしていたら、
古い手紙をまとめたケースが出てきた。
その中に、両親からの古い手紙も入っていた。
若い時の分は、おそらく処分していて、
保管していたのは、結婚してから届いたもの。

母とは電話が多かったので、
手紙は少なく、父の手紙が意外に多かった。
「おめでただってね。身体を冷やさない様に気を付けてね」
と書いてあった。
新婚当時の自分は、夫の事でいつも気持ちが暗く、
父のこの手紙も心に響いていなかったかもしれない。

今読むと、あの頃の父はこんなに優しかったのかと
別人みたいに感じた。
今も中身は変わっていないのだろうが、
歳をとって、怒りっぽくなったり、認知症もあり、
精神状態も不安定になったりしている。
年を取るって悲しいなと思う。
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母の手紙も読んでみた。

「昨日1人で服を買いに行ったけど、良くわからなくて、
何も買わずに帰りました。
りんごがそばにいてくれたら、一緒に買い物に行けたのにと思いました。」
とあった。これは本心だろうか、と今でも疑う自分がいる。

きっと当時からそう思っていて、
この手紙の内容も読み流していたかもしれない。
何故なら、手紙になるととても良い母に思えるのだが、
実際会うと、そんなこと考えてもいないみたいな態度を取られ、傷つく。

だから、親の愛情を疑う様になっていた。
あの頃は、親はまだまだ元気で、いなくなるなんて思っていない。

今、改めて素直な気持ちで読むと、
若かった頃の母の手紙は、
私に何かをいつも訴えようとしていたのかなと感じる。
当時から、娘が自分に冷たいと思っていたのかもしれない。
こんなに娘の幸せを願っているのに、何故わかってくれないのだろうと。

母の人生は何だったのだろう、
母は、悔しい気持ちを抱えたまま亡くなった様に思えた。

どんなに我慢して、頑張っても
この世を去ったら終わり。
何のために生きてるのだろうと、
また考えてしまった。