子どもが小学生の頃、PTAの役員をした時の思い出。
文化委員だったかな?
あまり忙しくなかったような?
学校全体で30人位だったかな。

自ら委員長に立候補した6年生のママがいた。
忙しそうな委員長を押しつけられても嫌なので、皆喜んでいた。

活動に熱心なそのママさんは、皆より年上で
上の子どもさんは結婚されていた。

月に1度は集会を開いていた。
場所はいつも、その方の家だった。
学校で行えば良いのに、何故か自宅でされていた。
家をPTAの集会に提供されるとは凄いなと皆、感心していた。

お宅に行くと、広いリビングに通される。
いつも、半分の人数しか参加しないのだが、
それでも10数人を入れられる部屋があるから
家でやれる訳だ。

集会では、委員長さんのお宅ということもあり、
話し合いというより、委員長の独裁的な進行になっていた。
大企業にお勤めのご主人の話や、同居のお姑さんの愚痴、
お嬢さんの結婚式に、いくらお金がかかったとか、
自分にしたら、自慢話?に聞こえる様な話が多く、恵まれた生活をされていた。

ある時など、古着を沢山並べて
欲しければどうぞと皆に見せていた。
「うちは、デパートでしか買わないの。全部ブランド物だから安心して」
と話していた。集会と言う名ではあるが、これは何だろうと違和感があった。

御主人の収入が良いと、こういう生活ができるんだなあと
お宅に来ていたママたちは、ため息をついた。

ある時「皆さん、私が家に送って差し上げるから、車に乗って」と言われた。
狭い校区内だから、送ってくれなくても近いし、と断る人が多かったが、
殆どの人が強引に乗せられた。 
マイクロバスみたいな大きな車だった。

出発すると
「ちょっと用を思い出したわ。皆さんを送る前に、少し寄るところがあるんだけど
いいかしら?」
と言われた。

別にいいですよと皆で答えると、
どこか離れた方へ、車は走りだし、
とある小さな店の前で止まった。

「さあ、皆さん、降りて。この店で買い物をして下さいね」
と言うのだ。
は?え?と戸惑う顔のママたち。
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そのお店は、アクセサリーや、小物を売っている小さな店。
「私の友人のお店だから、よろしくね」
と言っている。
そして、お店の経営者の友人に
「ほら、沢山連れて来てあげたわよ」
と恩を売っている。

私は、見るだけにして、何も買う気は無かった。
腹がたっていた。近い場所なら、そのまま歩いて帰宅したのだが
それができない遠い場所まで来ていた。

それに、子どもが間に入っているPTAの繋がりだから
上手く付き合っていかないといけないしと
今だけの我慢と、言い聞かせ、なるべくこの人とは話さない様にした。

何人かは、御機嫌を取っていて、
ネックレスを買っていた様だったが、
御機嫌を取るあまり、自分の学歴に嘘をつく人もいた。
(そんな話までしているのも驚いた)

でも、旦那さんがまともだと
どういう形であれ、奥さんが活き活きしているし、
子どもさんの結婚式も、親がきちんとやってあげられるし、
堂々とそういう話ができるだけでも羨ましく感じた。

でも、騙してお店に連れて行った様な、
あんな事はしたくないが。
それだけでなく、この人の行動はエスカレートしていき、
集会を自分が関わっているボランテイアの活動の宣伝に利用し、
寄付まで強引にやらせようとした。

「宗教みたいな事はやめてください」
と教頭先生から委員長にクレームが入り、ホッとしたのだった。