最近思い出した事。
どうでも良いと言えばどうでも良い事。
あまり深刻にならないように、
そうだといいな、位の気持ち。
亡くなる2週間ほど前、
母が「昨日、近所のお友達の夢を見た」
「あなた、どこに行っていたの?と夢の中で言われたわ」
と話していた。
このお友達の方とは、
今の実家に住み始めた頃からの長いお付き合い。
途中、何年か転勤で離れたりはしたが、
私が子どもの時からよく知っているご近所さん。
ご主人を早く亡くされ、長い間、1人暮らしをされている。
病気もされ、今も何かと不調を訴えておられる。
つい2年ほど前までは、母の方がピンピンしており、
その方を助ける事が多かった。
救急車を呼んで付き添ったり、
困ったと言われると、すぐに飛んで行っていた。
少し、ヒステリー症な人なので、
近所では、変人で有名。
母も、付き合い方には気を付けていた様だが、
長い間、その人と付き合ってこれたのは母だけだと思う。
母が、自分の人生を振り返る度、
この方に励まされた言葉を忘れないと呟いていた。
この人には、私の人生を理解してもらえていると。
だから、その人にとって、
母は唯一の頼りになる人だったが、
母にとっても、大事なお友達だった。
その母が、これまで入院しては復活してきたので、
今回も、またすぐに復活すると思っておられたと思う。
母は、入院した時、この人に電話している。
「検査入院だから大丈夫よ。また帰ったら連絡するね」
と話したと言っていた。
検査入院と嘘を言った母。
再発したという事を知り、
これから抗がん剤治療が始まるという時だった。
私たち家族には「もう手の打ちようが無い、
あとどれくらい生きられるか」と言われた時期。
母自身は苦しさも自覚症状も無く、
また、治療の効果がでて、すぐに退院できると思い込んでいた。

その後、治療の効果が無く、もうだめかもしれないと
母が気が付き始めた頃から、
「誰とも、連絡とりたくない、
病気の事も、誰にも言わないで、元気だと言ってて」
と、家族以外には一切連絡をとらなくなった。
お友達とも、あの時が最後の電話になった。
父も、母から強く言われていた為、
近所の人から様子を聞かれても、誤魔化していた。
ご近所さんは、母がそろそろ退院する頃じゃないかと
気にして待っている様だった。
コロナ禍で、面会禁止だったのが、
誤魔化すには都合良かったとも言える。
私が「○○さんは、お母さんに会えなくて、寂しがっておられるだろうね。
早く会いたいなと待っているかも」
とご近所さんの話をしていたら、夢を見たと言って来た。
その時の母の様子が、以前(お迎え現象の話をした時)
と同じで、変だった。
「夢を見たのよ」
と言う時の、表情が変なのだ。
あれは、夢?現実?不思議な感じがする。
みたいな、普通の夢を見たという感覚では無かったと言うような。
そんな話し方をしていた。
母を看取り、病院から帰宅した時、
ちょうど、ご近所さんが立っておられた。
父が、駆け寄って、母の死を告げた。
その時、聞こえた。
「えーっ?この前、奥さんの声が聞こえたんですよ。○○さん!て、呼ばれたの。
だから、てっきり退院されたのかと思っていたんです。振り返っても誰もいないし、
お宅に行ったらお留守だったから、確かめようと思っていたところだったのよ」
と驚いた様子で、足が震えてきたわとショックで青ざめておられた。
今、思えば、母が見たこの人の夢というのは、
母が、お別れを言いに行ったのではないかと。
亡くなる前の患者さんを見ると
影が薄くなって見えるとか、
魂が身体から出掛かっている様な感じがするとか
数多くの体験から語るお医者さんもいる。
それは、当たっているかもしれないなあ。
母が「夢を見た」というのは、
あの世とこの世を行ったり来たりしていたのではないかと思えてしまう。
気にかけていたお友達に、
どうしても会いたかったのかも。
亡くなる2日前の母からの電話も
不思議な気がしたまま、まだ耳に残っている。