最近、長電話をする事、というか、
電話で誰かとお喋りすることが無くなった。
かければ、長くなるのは明らかな人には
今は、かける気力が無い。

子どもが小さい時は、ママ友と、
たまに職場の友人と電話でお喋りをしていたが、
何といっても一番よく電話がきていたのが母からだった。

一度話し始めると、なかなか切ってくれず、同じ話をぐるぐると何回もしていた。
忙しい時は、電話にでないで放置していた。

ストレスをお喋りで発散するんだと言っていた。
私以外にも、近所の人や
親族の人とも、よくお喋りしていた様だ。

亡くなる三日前まで、母と電話で話していた。

だから、母がいなくなったのを一番実感するのは、
電話が来なくなった寂しさだ。

葬儀の日、父に突然帰れと言われ、予定を変更して
翌朝、急いで帰宅した。
悲しいまま帰宅したが、いつもと違う、何か物足りない気がした。

そう、いつも実家から帰った時は
実家の母から「無事帰り着いた?」と
電話が入っていた。

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ばたばたと帰宅した後、
いつもなら母から電話が来て
「無事に帰りついた?お父さんは本当に困るね。
私はいつもあんな風に嫌な目にあっているのよ」
と、私に愚痴っていたはずだ。

その電話が来ない。もう母はいないのだと思い知った。

あの時、弟から、ラインで「無事帰りついた?」と
聞かれたことで救われた。
父とのトラブルも、弟と共有できたことで、少しは救われた。

いかに、家庭の雰囲気を母が頑張って盛り上げていたかを、
父があんな風なので、嫌と言うほど感じている。

自分はどうだろう。
我が家は、まともな家庭じゃなかったから
親は、私だけという頼りなさで、
夫は、不安にさせるような脅しばかりで
家族を守るどころか、ストレスを与える存在。

その分、子ども達には、実家に帰れば、いつでも元気で笑顔の私がいると思ってほしい。
せめて、私だけは、太陽の様な明るさで、
疲れて休みたくなったら、いつでも帰れる港の様な実家にしたいと思っている。