あれから、試しに?弟に聞いてみた。
「実家の玄関に母が黙って立っていた夢を見たんだけど、
何かあった?思い当たる事は無い?」と。
すると
「昨日なら、父の髪を玄関で切ったよ。生前母の髪も玄関で切っていたなあ」
とのこと。
母は、抗がん剤で脱毛してから、
うっすらと生えて来た髪の毛先を
お弟に切って貰っていた。
かなり髪が薄くなった父も、
切る量が少ないから床屋さんにいくほどじゃないねと
昨年から弟が、毛先を切ってあげているらしい。
私も、一度、母の髪を少し切った事があったなあ。
そうか、やっぱり、母は実家に行っていたんだ。
弟が父の髪を切る時、横で見ていたのだろう。
何か言いたかったのだろう。
弟も
「そう言えば、夢に母がでてくるけど、
名前を呼ばれてふりむいても、何も会話できない。
お互い、黙っている夢を見たよ。」
と言っていた。
母は何か訴えたい事があるのではと思う。
思い当たることがある。
「骨を絶対、父の実家の墓に入れないでほしい。
しばらくは、家に置いて置いてほしい。
いずれ、子どもたちが近くの納骨堂に入れてくれたら」
というのが母の強い希望だった。
私と弟、親族にも良く話していた。
生きている時は、母の言い分なんて、聞くはずもない父だった。
それもあって、父より先に逝きたくない!と言うのが母の願いだったのだ。
僻地の荒れた空き家の自分の実家に執着する父に
この話は通用しそうにない。
が、話してみないとわからない。
いずれ父も子の世話になるのだから
私たち、特に男=息子のそういう意見(近くの方がお参りしやすい)
を聞けばもしかしたら聞き入れるかもしれない、
と思っていた。
それを私が父に言おうとしたが
弟が自分に任せろと言い、止めた。
弟は父に逆らわず、表むきは全て賛成している。
最近、父がその、僻地の山にある墓に母を入れようと準備を始めたそうだ。
親族も反対して心配しているというのに。
弟は、父と喧嘩するのは嫌だと逃げ、
父が亡くなった時に
母の骨を近くに移動すればいいと言う。
それは予測した上で、
母は、一時でも山の中に1人寂しく居るのは嫌だと訴えていた。
そういうところが、弱い弟。
一言でも上手に言い換えて、母の希望はこうだったと言えば良いのに。
言った上で、だめなら諦めがつくが
言いもしないで、協力か?

父に怒られるのがそんなに怖いのか。
中年のいい大人だろう。
他にも、父親の迷惑行動に注意も出来ない。
何でも言いなり。
私は、遠くにいてどうにもできない。
父は息子も賛成し、協力していると信じているから
私がいくら説明したって、
女は黙ってろと言うだけだろう。
また、娘を追い出しにかかるだけのこと。
葬儀後、私は、母がその遺志を書いた日記を父に見せようとしたが
弟が反対した。
弟が父に何でも賛成する限り、どうにもできない。
母は、亡くなる直前に、息子の裏の顔を知り、
裏切られたといい、育て方を失敗したと言っていた。
今も、また、裏切られたと思っているかもしれない。
弟に、夢で訴え、私の夢にも出てきて、実家に行って
まだ、この家に置いててほしい、と言いたいのではないか。
その話を弟にしたら、とぼけられた。
最悪だ、ほんとに母の事を想って泣いているの?
父が長生きすれば、その間母は山の中で1人だ。
私たちもすぐに墓参りに行ける場所ではない。
親孝行と言うけど、どこかずれている弟。
母の闘病から、弟と連絡を取り合う様になったが、
こんな性格だったのかとがっかりする事が多い。
それでも、たった一人の兄弟。
親の近くにいてくれるだけで私は助かっていることは確か。