10年以上前の事だが
ある事件の裁判を傍聴した事がある。

その事件は~大学生がストーカーに 命を奪われた。
犯人は、被害者の父親と年齢が変わらない位の中年男だった。

被害にあった女性は、知りあいの親族の方だったので
他人事に思えず、傍聴しに行ったのだ。

不謹慎だが、裁判の様子は、まるでテレビドラマの様だった。

極刑を願うお父さんの無念の訴えの中に、驚く内容があった。

その裁判までの間に、お父さんが犯人に対して気持ちをぶつけた時の事を話された。

(当時の記憶なので、曖昧ですが)

「何故こんな事をしたのか、お前にも同じ位の娘がいるだろう。
娘を奪われた家族の気持ちがわかるか?
お前のせいで、我々家族は毎日が地獄の日々を過ごしている。
と先日私が言ったら、お前は言い返したな。
”辛いのはあんたたちだけじゃないよ。俺の家族だって辛い生活してるんだ。
こっちも被害者なんだぞ”と。
よくもそんな事が言えるな!
誰のせいでこうなったんだ?
お前が起こした事件だろう。お前がやらなきゃよかったんだろう?」

の様な事を怒りに震えながらおっしゃっていた。

他にも色々訴えておられたが、その間、隣に座っていたご家族は
泣いていた。自分ももらい泣きしてしまった。
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人の命を奪っておいて
それでも、まだ「被害者のせいだ、こうさせたのは被害者が
自分にそっけなかったからだ」と言う人間がいる事に驚いた記憶がある。

妄想で娘と同じ位の歳の若い女性に勝手に想いを寄せ、
ふられてもそれを認めず、ストーカーになった。

こんな事で命を奪われるなんてご家族の気持ちを思うと
極刑を望むのは当然だ。

判決は懲役13年だった。
短すぎる、軽すぎる。と思った。



家族がいる身でありながら、何故、自分の愚かさを被害者のせいにするのか
そこからして、狂っている。

夫も、ここまで酷くは無いが、
自分の行動の責任を負わず、人のせいにする。

自分は、被害者だと言う発想の仕方もこの男と似ている。

勝手に別居したのは、家族がいるせいだ。
扶養する存在があるせいで、自分に責任が問われる。
だから、家族の存在が悪いのだ。
みたいな訳のわからない事を言う。

自分から「結婚したらどんなことがあっても家族を守るよ。家族から離れたくない」と
甘い言葉を並べて、結婚を迫ったことは忘れ、
「そこに結婚したいと思った人の存在があったのが悪い」となりそうだ。

笑いごとみたいだけど、本当にそういう事を言う人間はいる。