母自身、元日に入院した時、
3か月後に亡くなるなんて思ってもいなかった。
直ぐに帰れると思っていた。
服も着替えしたまま、ぽんと置いてあり
「退院したら自分で片付けるからそのままにしといて」
と言っていた。

だるさは、コロナ禍で運動不足になったせいと
思っていた様だ。

入院前は、
「来年のお正月を迎える事ができるだろうか。
今年が最後かもしれない。そんな気がする。
コロナのせいで、急に体力が落ちた」
と言っていた。

予感はしていたのだろうか。
断捨離をしたいとずっと言っていて、
弟には頼まず、私に作業をさせると言っていた。

コロナで帰れないし、何できつい仕事だけいつも私にさせるのか、
という不満もあって、私から弟に手伝う様に頼んだ。

一度だけ、弟に頼んで物置を整理したらしい。

結局、母の衣類や愛用品は片付けないまま、
この世を去ってしまった。

面会する為に、実家に帰った約1カ月の間、
母の許可を得て、母の服や私物を一部だけ片付けた。
「貴重品や欲しい物は持って帰って」と言われていた。

「絶対に他の人に触らせたくない」と言っていた。

自分のお気に入りの物、大事にしていた物は娘に渡したいと。

弟夫婦や父は、価値が分からず捨ててしまうと。

母の好きな着物は、以前から私に渡されていた。

母の衣類はとても多く、
私が着れそうな物があればと思ったが、
サイズが違うのと、やはり高齢者の服は
自分が同じ歳になるまでは、着れないのでそのままにした。

靴も、サイズが同じなら
新品で歩きやすそうな履きたい物があったが、残念だ。
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父は、母の残した物を「邪魔だ。物が多すぎる」と言い出している。

まだ、母の臭いがして、母の存在した証がそこにあるのに
それを見て「こんな沢山の物を買いやがって」
「捨てないと邪魔でしかたがない」
と文句を言っていた。

母の生前には、全く関心も持たず、
何も見ていなかったのに、今更何を言うのか。
信じられない。

もしかしたら、さっさと全て捨てられてしまうのではないかと思い、
葬儀の後、父から追い出された時に、とり急ぎ、形見に欲しい物、
母の愛用品などをまとめて持ち帰った。
私や私の子が、プレゼントしたものを
「勿体なくて使えない」と大事に保管してあったのも見つけ、
涙が出た。

父に追い出された時、母の形見と一緒に、私の事を心配して
母もついて来た気がした。

他にも沢山置いて来た母の物…気になっている。

父がいない時に、ゆっくり片付けをやりたいが、
どう考えても、今は無理だ。
父が捨ててしまわなければ急がないのだが。
弟は、口では私に話を合わせているが
父の言いなりだ。

もう、温厚だった昔の父はいない。
私にとっては、両親を一度に失ったような気持ちになっている。