母のことで親族から携帯に着信がきても
話したくなくて、無視している。
弟が勝手に電話番号を教えていた。
断われなかったのだろう。
電話が嫌いというより、相手を選ぶのだ。
入院してから、母とは毎日電話でよく話した。
会えなかったのに、電話をしていたから
毎日会っていた様な気がする。
電話をしていた感覚ではなく
母の魂と向かい合っていたような感覚だった。
今、入院中に母が書いていた日記を
パソコンで書き起こしている。
日記は途中から力尽き、書けなくなっている。
短い期間だが、色々母の辛い気持ちが書いてあった。
これは、私がノートを送り、書く事を勧めたもの。
もし、そうしてなければ、何も残っていなかったと思う。
母に、心に望むこと、口では言えない事を
ノートに書いて吐き出してみたらと勧めた。
退屈で苦痛な気分が少しでも紛れたらと。
亡くなった後に家族に読まれる事を意識してか、
「毎日書いているよ。落書きよ」と笑って言っていた。
自分のお骨の行き場を、一番心配していた。
父のこと、母の望む場所に納骨する気が無い。
母は、遠い僻地の父の実家の墓に連れて行かないで、と生前から言っていた。

私も弟も、実家の近くに納骨して、母の希望をかなえようと思っている。
父が先なら、簡単だったが、
父が残ったので、不便な誰も行かない山奥の父の実家の墓に
母のお骨も自分のも入れて当然と言っている。
自分の妻子より、破壊寸前の空き家の実家に執着し、
誰も参りにこない山の中の墓に全員入るべきだと決めている。
私たちが墓参りにいくには大変な場所。
先祖に執着せず、頻繁にお墓参りのできる近い場所に
納骨しようと言うと、そんなのは墓じゃないと言い出す。
母が可哀想だ。父が亡くなった後で
移動すれば良いのだが、とても面倒。
母の日記には、何度も、それについて書いてある。
父が亡くなるまで、納骨しないでほしいみたいなこと。
私は母に約束している。絶対に母の希望を実現すると。