母の終わりが近くなるにつれ、周りの人間の本質が露わになってくる。

最近、母の口から出る言葉は人としてまともであり、
元気だった頃より、賢明になってきた感じさえする。
まさか、このまま死を待つことになるなんて
2か月前には思ってもいなかった母。

毎日泣いて、助けてと電話をしてきたり、
抗がん剤で弱った時期もあったが
それを乗りきり、今は悟った様な、
諦めたような境地なのだろうか。
残酷すぎて、本当に可哀想になる。

こんなに脳はしっかりしているのに。
つくづく、これで身体が元気だったらと残念だ。

夜に痛みが増し眠れないので、
飲み薬から点滴での痛み止めに変わる様だ。
これから、段々意識が朦朧としたり
せん妄がでたりして
今のまともな母が変わっていくのだろうか。

「子ども達と沢山電話で話せて良かった、もう悔いはないよ」
と言う。
電話がかかってこなくなったら。と思うだけで胸が苦しい。
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病気とは思えないほどしっかり話す日もある。
家で母と雑談しているかの様に錯覚するほど。

薬が強くなるにつれ、意識レベルが低くなるのだろう。

父が母の電話での様子を聞いてくる。

心配なのだろうが、本心はどうなのだろう。

母に「父は母の様子を心配しているよ」と伝えると嬉しそうだった。

でも、心から心配していないのではないかと
父の人間性を疑う時もある。

母には絶対に知られたくない。