何もすることの無い母は
毎日弟と私に電話をしてきて気晴らしをしている。

母の言葉にいらつく事も多いが
これが最後の会話になるかも?と思うと
ぐっと我慢。

抗がん剤の副作用なのだろうか
鬱っぽくなったり、不眠になったり
その時は、もうだめだ、このまま終わりだとか
投げやりになっている。

が、翌日はけろっとして
つい先日、効果なしだったのに
今度は効果がでるかもしれない。
そうなったら帰宅して
デイサービスに通って、と明るく話す。

緩和ケアのことなんて
頭に無さそう。

それだけ体調が良いのだろう。
抗がん剤の副作用は、精神面にはでているが
肉体には出てこない、
前回の小腸の時も、身体的な辛さは無かったと言っていた。
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今回、脱毛が早い。
せっかく生えてきて喜んでいたのに
ごっそり抜けた髪をガムテープで掃除している話をきくと
辛くなってくる。

本人は治るかも、帰宅できるかもと希望を持っている。

鬱の時は、弱音を吐くが
そうで無い時は、まるで自宅にいた時の母の声とかわらない。

暗い話より、明るい方が良い。

次も結果が悪くでた場合
全く苦しんでいないのに、再び余命宣告されるのか?

再発がわかった時、
あと2週間もつかなどと言われた。
もう1カ月以上が過ぎた。
体重は減ったが、母は悪化している感じは無い。
母の声や体調の良さを聞くと
再び誤診じゃないかと思ってしまう。
でも、そうではないのだ。


最初に医師の言うまま、諦めて治療をせずに緩和ケアを選んでいたら
腫瘍が大きくなり、寿命が縮まっていたかも?

これまで、本人の強い希望で治療をして2か月、
腫瘍はそのままだが、悪化はしていない。

これで良かったと思う。

高齢者でも、個人差がある。
一辺倒に、もうダメ、どうせ高齢だからというような
投げやりな医療はダメだと思う。