いよいよ、今日は母の検査の日。
最終宣告を受けることになる。
今日の結果で、母の気持ちが大きく別れてしまう。
光に向かうか闇に向かうかという気分だろう。
身体が苦しいとか辛いなら
楽になり、静かに余命を過ごしたいと
緩和ケアを望むだろうが、
今の母は、自覚症状が無い。
このまま退院して家で生活できると思っている。
こんなにしっかりしているのに
緩和ケア病棟で
食事もできずに、最期を待てというのは残酷だろう。
母が、時々医師が来て、注射をしたり
何か処置をすると
「見捨てられてなかったと安心する」と呟いていた。
私たちも、そう思うのだから、
本人は尚更だろう。
弟が驚く発言をした。
「僕の家で引き取ってもいい」
と言ったのだ。
え?今までも、今でも、実家で家事すらしない、
親を手伝った事も、労わることも
する気の無い人達なのに?
あの奥さんが、母の世話をする訳が無い。
むしろ、母の前でさも嫌そうな顔をして
圧力をかけそうな気がする。
ある意味、無言の虐待になってしまう。
母の前で、弟を叱責する事だろう。
そんな弟の家に母が行ったら
ストレスで弱ると思う。
行きたくない!と拒否するはずだ。
だから、弟には「それだけは絶対やめて。」
とお願いした。
そういう考えの甘いところが弟にはあって
まだ、奥さんの事がわかっていないんだな。
すっかり洗脳されているのだろうな。
母は、自分の人生を振り返っている様で
嫌な思い出ばかりが浮かぶらしい。
長年、私に毒を吐いて来た内容と同じだ。
一番は、父の実家で虐められて苦労したこと、
父の暴言、女性差別。
そして息子の嫁への失望。
父と嫁、この二人から受けた冷酷さが、
今のストレスになっている。
父の事は弟は理解しているが
自分の奥さんのことは、理解しない。
弟のプライドもあるだろうし
共依存になっているから仕方がない。
夫婦間のことはどうでも良いが
他の親族を巻き込む意地悪などは迷惑だ。
とにかく、今日はじっと検査結果を待とう。