母と毎日電話で話しているが
ここ2日ほどで、あっという間に鬱状態になってしまった。
声も力が無く、泣いている様な弱気な事ばかりを言うようになった。
環境のせいもあるし、退屈なこともある。
抗がん剤の副作用でもあるだろう。
隣の人が年配の人から若い人にかわった事も影響あるかもしれない。
食欲は全くないとはいえ、
入院するまでは「食べられるうちは大丈夫」
といつも口にしていた母。
すぐに食事もとれるだろうと
お箸を持って来させたり、退院の事も考えて居た。
あの頃の母と比べると、声が変わった。
元旦から全く食事をせず、抗がん剤治療なのだから
体力が無くなり、気力も無くなるのは当然。
今週から2週間の休息日に入った。
点滴だけで、誰とも会えず2週間も待つのか、
いつ食べる練習するのか、
退院できるのか、と
色んな事を考えて居るようだ。
夜にトイレに何度も行きたくなるそうで
眠れないという事もあるだろう。
食事の度に隣の若い人がむしゃむしゃと
食べる音が気になって仕方がないという。
自分は永遠に食べられなくなるのでは?
このまま、誰にも会えずに孤独にいなくなるのか、など
そして、こんな治療は自分だけだ、他の人はこんなきつい思いをしない、
と誤解している。
「自分だけが、自分だけが、何故!」としつこくて
聞いている方も、いらついてくる。
今まで何度も口にしていた「自分はもういついなくなるかわからないぞ」という
脅し?覚悟の言葉は何だったの。
父の事を「いつまでも元気で不老不死だと思っている、馬鹿だ」
と今もけなすが、母も同じじゃないか。
「自分が病気になるなんてありえない。おかしい」と言う。
これまで、色々病気の事を教えて、
アドバイスもしてきたが、都合の悪い事は無視してきた母なので
自分の病気のことも、未だにわかっていない。
わかろうとしない。
隣の若い人を、可哀想に、と言って優越感に浸るほどだ。
自分で自分を苦しめている。
自分の命の短さをいざ感じると
誰だってそうなるのだろうか。
自分もいざそうなると、今の母を思い出して
今の自分の対応を後悔するのだろうか。
本人にしかわからない辛さがあるという事はわかってあげたい。