まめに手紙をくれる親族の女性(R子さん)がいる。

お互い遠く離れた土地に住んでいて
ほとんど会う機会がなく、
R子さんと2人で会話したこともない。

なのに、若い時からまめに手紙をくれる優しい人。

私は、子どもの頃、まだ会った事のないその人に
顔がそっくりだと、親族の誰からも言われて
うんざりした記憶がある。

自分に良く似ているらしいR子さんは
どんな顔でどんな人なのだろうと、
素敵な人ならいいなあと
子ども心に思っていた。
 
私の従妹にあたるのだが、
母の年の離れた姉の子なので
私より20近く年上だ。
だから、従弟と言っても伯母さんみたいな感じ。

R子さんは、母と仲がよく
母にとっては、私と弟以外で、唯一何でも話せる相手らしい。

R子さんは、父の事も気にかけてくれ、
「先生」と呼び、尊敬してくれている。
世間体を気にする母は、父の愚痴は話していないかもしれない。
どこまで、本音を話しているのかはわからない。

先日、母が病院からR子さんに電話をし、
再び入院したことを伝えたので、
母と私に手紙を書いてくれた様だ。

今私に手紙を書くという事は
母が言わない事を、
私から知ることができるかもという
情報収集する目的もありそうだ。

以前、父が皮膚がんの手術をした時、
母は詳しく話さなかった様で
R子さんは、私に葉書をくれた。

父の事を心配していたので
「完治した、元気だ」と返信したら
安心したようで、すぐに父に電話をかけた様だ。
ELLY95_hanatotegami_TP_V

そんな風に今回も、
母の話がどこまで真実なのか、
コロナで見舞もできないし
病気の様子を聞きたいのだろうなと感じた。

高齢になっているR子さんも
最近大きな病気をしており、
手紙を書く事でリハビリや人との交流を絶やさない様に
努力しているのだと思う。

実家からは、車で2時間ほどかかる所に住んでいて、
病院も近くに無く、不便な生活らしい。

彼女の手紙に、最近必ず書いてあるのが
弟の褒め言葉だ。
母がいつも弟の事ばかり自慢しているのがわかる。

「息子が良く世話をしてくれる。
良く動いてくれる、何の心配もない」と。
確かにそういう一面はあるから嘘では無い。

しつこく自慢しているのが
世間体第一の負けず嫌いの母らしく、予想通り。

「家事を誰もやってくれない」と私には今でも文句を言ってくる母。
そんな裏の面を誰も知らない。

数年前の入院の時、
私が帰省して手伝おうとすると
「来なくていい。あの子の立場が悪く無る、何もしてないのがばれる」
と言って、帰省させなかった母だ。
世間では、親が入院しても帰って来ない薄情な娘に思われた事だろう。

もうその手に乗らないぞと、
その後無視して帰省すると
世間には私の帰省は無いことにされた。
怒りで母を怒鳴りつけたこともある。

それでも、私が手伝うと
思いのほか楽だったのだろう。
弟夫婦が嫌がる家事については
「娘がやって当然、娘がやる仕事」と言い出した。
女だから、裏のきつい仕事はやって当然だと。
でも、世間には息子夫婦がやってくれたことにすると。

なので、R子さんの手紙には
弟は偉いね、有り難いね、羨ましいと誉め言葉であふれている。

私がそれを読んで、どんな気持ちになるか
わかるはずがない。

弟夫婦がいるおかげで、
私は遠くで何もせずにいても安心ね。
良かったね。
と思われているのだろう。
                     続く