続き

そもそも、「A君にイライラして来る」という言い方も、自分て何様よ、と思うのだが、私の心に気が付かずマイペースなA君。
仕事も真面目、家族思い、友達も大切にして最高じゃないの。
完璧すぎてイラッとするの?いや、そうじゃない。

少しずつ感じたイラっとする感覚が積み重なり、ある時期に爆発するまでのやりとりを振り返ってみよう。

最初に「ん?」と感じたのは、メールのやり取りの中で
「君の御主人て、もしかして僕に似ているんじゃない?」と聞かれた時。

お互い結婚してからしばらく疎遠で、久し振りに連絡が来た時だった。
(はるか昔の事を今頃話す私もしぶとい)

私はプライベートな事を聞かれても誤魔化したり、なるべく話さない様にするタイプ。

A君は、喜んで私がべらべらと話すと思っていたのかもしれない。

でも、唐突にその質問は何?意味がわからないと言ってみた。
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A君は「いや、何となく僕に似たタイプの人と結婚したんじゃないかと思って」
と言う。だから、何故そう思うのかを聞いているんだよ。と言いたかったが、やめて、
「全く正反対のタイプよ。見た目も性格も。」と答えた。真実だから。

夫の事は私は何も話していないので、A君は私と夫は理想の結婚をしているのだろうと勝手に思い込んでいる様だった。

だからつまり、私の理想のタイプがA君に似ているという事になるよ?は?

冗談なら面白くていいけど、真面目に聞いて来た。

でも、似てないと答えたから、A君は、逆に解釈しただろう。「あなたは私の好みのタイプじゃないの」と。
実は、A君の事を評価して、「旦那よりずっとまともだ」と誉めたのだが。そこまで説明するのも面倒で黙っていた。

A君が気を悪くしてもいいや、変な質問してきたのはA君だし。と思っていた。
A君がそんな自信を持つ様な態度はとっていないつもりだった。恋愛の対象として見た事も無かった。A君は、女性には消極的な奥手の人だった。
だから、この発言には驚いた。

それ以降、少し言葉使いをよそよそしくすることにした。

A君は自分の事を色々話してきた。

奥さんが結婚してすぐに難治性の病気になり、子どもを作れなかった。だから子どもはいない。とのこと。現在奥さんは、病気とは思えない位元気になっていて、夫婦仲良く暮らしている。そんな話を私は黙って聞いていた。

その後「趣味で小説を書いているから、読んで感想を聞かせてほしい。」とメールが来た。

学生時代に、A君は仲間と同人誌を出していた。他の人は興味を示さず、断れない私だけが毎週読んで感想を伝えていた。

その記憶が彼にあったのだろう。私なら読んでくれると信じていたようだった。