過去に母が我が家に来た時と言えば、私が具合悪かったり、子どもの大事な行事があったり、緊急な手伝いに来る事が多かった。

本物の母子家庭だったら、仕方なく実家の近くに住んで、何かと子どもに対して助けてもらったかもしれない。
でも、法的には母子ではないし、実家の近くに住むと夫は益々無責任になることは目に見えていた。

逆に、私が親に甘えたがって困るとか嘘の理由で堂々と自分の事を正当化する可能性もあった。

とにかく夫の思うつぼにはならない様に生活をしてきた。
それは母も理解していたし、私が実家の近くに住む事も嫌だった様だし(弟夫婦の世話が優先で)たまにだったから助けて貰えたのだと思う。

その時、母は「孫たちのお陰ね」と笑っていた。
つまり、孫がいるから、その手伝いで娘宅にこれる。ちょっとした旅行気分で気分転換にもなると好意的だった。
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運動会などの行事に招待すると、とても喜んでいた。

そんな時も「孫のおかげで、楽しい思い出ができたわ。」と言っていた。
同じ様な体験をする人がお友達にはいなかった様で、自慢できると優越感に浸っていた。

弟の孫の運動会には、一度も誘ってもらえず
「普段、あんなに世話してあげているのにねえ」と私には言うのだが、弟夫婦に対しては不満な顔は一切見せず、ご機嫌をとっていた。

「本当にあの人(夫)は、馬鹿ねえ。子どもと一緒に暮す方が絶対楽しいし、こんなに幸せな気分になるのに。何の思い出も残さず、何が楽しくて1人で暮らしてるんだか、馬鹿だわ」
と母は、来る度、嘆いていた。

私も同感だった。

世の中には、子どもへの情というか愛が欠落している人もいるんだなあ。

子どものままで止まっている人。
夫にとって家族とは、親と兄弟のみ。
もう義兄しかいないのに、いまだに親の愛を追っている。

結婚する前はわからない。
言葉では、子どもが好きだとか、家族愛をやけに強調した。それも真実の裏返しだった。

何かが欠落している人だと頭ではわかっているが、心で理解することは難しい。

その分、自分は、沢山の幸せを子ども達から貰って、独り占めしてきたと思っている。
人生を振り返るには、まだ早いけど。