ああ、早かった。

あっと言う間だった。母と弟は満足して帰っていった。

元気に毎日を過ごし、美味しいものを食べ、よく歩いた。

母は、「まさか、この年でこんな病気の時に旅行ができるなんて。こんなに元気に過ごせるなんて!」ととても嬉しそうだった。

思っていたより、母は何でも食べて病気とは思えないほど元気だった。

外出しても、よく歩いて疲れも見せなかった。


電話だと声が良く聞こえ、普通に会話をするが、目の前で話すと耳が遠くて私の話がよく聞こえない様子。だから会話があまり成り立たない。

そのせいで電話で話すよりも母は静かで控えめ?だった。

だから喧嘩にもならず、楽だった。

夜もぐっすり寝ているようだった。

私は、怪我の痛みや背中痛や色々体調不良があったのが、全く気にならなくなり、良く動いたからか、こちらもパワーアップした。
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昔のあのずうずうしかった2人はどこにもいなくて、とても喜んでお礼を言って帰っていった。

ふと嬉しそうに話す母を見ていると、あとどの位、こうやって会えるのだろうと思ってしまった。

母が、こっちに来てから毎日、亡くなった姉や友人が夢にでてきたと話していた。

まだ若かった頃、手伝いに来てくれていた時の思い出を話しながら母は自分の人生も振り返っている様だった。