続き~   


休職した分を取り戻そうと思い、張り切って仕事をしていた。

まだ万全の体調では無かったが、仕事には影響は無く、順調に進んでいた。

そんなある日、保育園の迎えの時間までに、いつもの様に帰ろうとすると、直属の女性上司から呼び止められた。
「保育園のお迎えがあるので明日ではだめですか?」とお願いしたが、すぐ終わるからと無理やり会議室に入れられた。
C778_bukiminakaigisitu

そして、こう言われた。
「私、最近忙しいの。だからこれ、あなたがやって。」
それは、同僚の仕事のミスをカバーする事だった。上司がやるべき事を、関係の無い私に押し付けて来たのだ。

私がその仕事に何か関係していたとか、私の将来の為に体験させるとかそういう理由ならまだわかる。

そうではない。小馬鹿にした口調で、「私、忙しくて、手が回らないのよ。あなたがカバーすればあの子はくびにならずにすむのよ。部長に相談したらあなたにやらせろと言うのよ。というかやってもらうわ。」と一方的に言う。

そんな話、就業時間が終わってから急いでする内容じゃないでしょ、と思った。

私は、保育園の時間が気になり、返事もせずに部屋をでた。わざと急ぐ時間に引き留めて、考える時間を与えない意地悪だと思ったからだ。
女性上司はニヤニヤしながら「部長が決めたことなのよ。」と言い訳するだけ。


新部長は、この女性上司を気に入っている様で、言いなりのようだ。
前の部長なら、絶対そんな事はさせない。むしろ「なら僕がやるよ」とすぐに動いてくれる人だった。

どう考えてもおかしい話だった。
責任をとる立場にない人に、責任をとらせるなんて。それに、私にカバーする力も情報も無い。やった事の無い仕事。

何か企んでいるなと感じた。