駅に着くと、弟が迎えに来てくれた。

車の中で、これまでの医師の説明を話してくれるが、何回も聞いたことで、私の意志も伝えている。

さあどうするかと言われても、精密検査をうけてもないと何も決められない。
今気にしてもどうしょうもない。

そんなに心配ならもっと家の事やってよと言いたいのを堪えた。
言っても謝ってくるだけで、何もかわらず、お嫁さんには絶対意識をむけない。全て自分が悪いのだという方向にもっていかれ、何も解決しない。

おそらく夫婦の中で、悪いのは全て弟という事にいつも結論づけられるのだろう。

私が嫁さんに何かをいったところで、嫁さんは「すべてこの人が悪いんです」と言うだけ。

だから母も、何も言えない。もう期待しない。ただ黙って弟を支えてくれたらいいだけ。


弟に、迎えにこなくてもいいよと言ったが、「家にいても落ち込むから。外にでたいから」と言うのだ。なら、とお願いした。

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それより、母を見て痩せた姿に驚いた。

ついこの前まではそうじゃなかった。

お腹が痛くて食べられなかったし、入院してから1カ月絶食だったのだから、痩せる訳なのだが。

母は、「理想体重になったから良かった。」と喜んでいる。


確かに余計な脂肪がとれて身体は軽くなり「全然疲れを感じなくなった」と言う。


そして「後は検査が終われば薬をのむだけよね。」
「元気になったら、またあそこに行こう」「もう少しの我慢。すぐに元に戻る」「来年はこうしなくちゃ」など、明るい言葉がでてくる。

痩せて、以前よりは弱々しい感じはするが、まだまだ気力があり、しっかりしている。

本当に医師の言う通りなのだろうか。誤診じゃないのかな思えるほどだ。


自覚症状が無いだけで、じわじわと病気は悪化しているのかもしれないが、信じられない。


医師からは、退院して1~2週間目には、急変してもおかしくないと言われたそうだ。

絶対嘘だろう。

私が作った料理を美味しいと食べているし、快便だという。


どこも痛くもなんともなく、このまま回復するだけと、本人も周りもそうしか見えない。

誤診であってほしい。次の精密検査で、異常なしか、進行していないとか、何か良い結果を期待してしまう。

こんなに元気で、しっかりして、何ともないのに、抗がん剤を打ち、わざわざ副作用で弱らせる必要があるのだろうか、そしてその時、母が自分の病名を知ると一気に気力が失われる気がする。


今、母は、今のうちにと思っているのか、あれもこれもと仕事を頼んでくる。

暑いのと、ゆっくり休む場が無いのと一日中、料理を考え作っているので、疲労感が強い。

実家には自分の部屋が無い。以前の自分の部屋は物置になっている。

老人の悪いところがでてきて、家の中に物があふれている。

母は、いつも片付けないとと口うるさく掃除をしていると言うが、全然すっきりしていない。

ほっと休む場所が無いので、精神的に疲れる。

母の入院中は、母の部屋でゆっくりできたのだが。

ここで私が倒れる訳にはいかないので、何とかふんばるしかない。