とある老舗旅館の女将をしている古い友人、ニックネーム「りー」の話をしたい。
卒業以来、長い間ご無沙汰のままだ。
旅館に嫁ぎ、若女将としてしっかり長い間勤め、今では評判の良い美人女将として頑張っている様だ。
大学に入学し、最初の授業で隣に座っていたのがりーだった。向こうから色々話しかけて来た。
お互い地方から出てきて、何もわからず友達もいなかった時だった。
サークルはどこに入るの?と聞かれ、偶然彼女も同じサークルに入り、仲良くなった。
他にも友人は増えていたが、りーと授業もサークルも一緒で、ほとんど1日を一緒に過ごす事が多かった。
りーは、小さくてとても可愛かった。ただ、田舎なまりが強く、服も地味だったので、その美しさとのギャップがいいと先輩の男性には人気があった。
先輩達にはとても人気があるのに、同級生には相手にされていないのが不思議だった。
先輩達は、りーが何を言っても「可愛い!もっとその田舎なまりで喋って!」と喜び、彼女も嬉しそうだった。
私は、他の友人達と過ごす時間が増え、リーとはあまり一緒にいる事が少なくなった。
彼女のテンションに疲れて来ていた。
何故同級生の男子はりーに冷たいのだろうと思い、聞いてみた。
すると「美人だけど、演技っぽいもん。表裏がありそうだから」と言われた。そして「あの子と一緒にいたから君もそういう子かと思っていたよ。」とも言われた。
それから、彼女を観察してみた。
彼女が私と話す時、標準語で声のトーンが低い事に気が付いた。幼さも感じない。普通の美人。
人前や先輩の前では、田舎なまりを共調して可愛く話す。そう言えばそうだな。何故そんな事をするのかなと思った。やはり、その方がウケるからだろうと感じた。
他の女性からも「りーは、子どもっぽいし田舎臭い。でもあれ演技っぽいよね。あなたも仲良しだから同じかと思ったわ」と言われた。
私が田舎っぽくて精神年齢が幼いのは、事実そうだった。でも、演技ではなくて自然な姿。わざとそんな風にする必要は無いどころか、もっと洗練されたいと思っていた。
りーの演技に気が付いたら、とても嫌な気分になった。
皆大人だから、彼女に冷たくする訳でもなく、普通に接していた。私も本心を隠して、普通に接した。
可愛くて先輩にモテモテのりーに、さっそく恋人ができた。当然な成り行き。
彼氏の方に気が向いてくれて助かった。解放された気分だった。
接する時間が減った分、気のあう友人達といつも楽しく遊んでいた。考えてみると、りーには彼氏と私以外に仲良しの人はいなかった。かといって執着されるのも嫌だった。
ある日の事、学食でりーとばったり会った。お互いひとりだったので一緒にランチをとった。
りーは暗い顔をしてこう言った。
「あなた、私に恋人ができたから焦っているんでしょ。私を妬んでいるでしょ。
最近私を避けているよね。悔しいから?彼に最近あなたが冷たくなったと相談したら、僕の友人を紹介してやると言うのよ。どうする?彼氏ほしいんでしょ?」
はあ~?言葉がでなかった。
続く
卒業以来、長い間ご無沙汰のままだ。
旅館に嫁ぎ、若女将としてしっかり長い間勤め、今では評判の良い美人女将として頑張っている様だ。
大学に入学し、最初の授業で隣に座っていたのがりーだった。向こうから色々話しかけて来た。
お互い地方から出てきて、何もわからず友達もいなかった時だった。
サークルはどこに入るの?と聞かれ、偶然彼女も同じサークルに入り、仲良くなった。
他にも友人は増えていたが、りーと授業もサークルも一緒で、ほとんど1日を一緒に過ごす事が多かった。
りーは、小さくてとても可愛かった。ただ、田舎なまりが強く、服も地味だったので、その美しさとのギャップがいいと先輩の男性には人気があった。
先輩達にはとても人気があるのに、同級生には相手にされていないのが不思議だった。
先輩達は、りーが何を言っても「可愛い!もっとその田舎なまりで喋って!」と喜び、彼女も嬉しそうだった。
私は、他の友人達と過ごす時間が増え、リーとはあまり一緒にいる事が少なくなった。
彼女のテンションに疲れて来ていた。
何故同級生の男子はりーに冷たいのだろうと思い、聞いてみた。
すると「美人だけど、演技っぽいもん。表裏がありそうだから」と言われた。そして「あの子と一緒にいたから君もそういう子かと思っていたよ。」とも言われた。
それから、彼女を観察してみた。
彼女が私と話す時、標準語で声のトーンが低い事に気が付いた。幼さも感じない。普通の美人。
人前や先輩の前では、田舎なまりを共調して可愛く話す。そう言えばそうだな。何故そんな事をするのかなと思った。やはり、その方がウケるからだろうと感じた。
他の女性からも「りーは、子どもっぽいし田舎臭い。でもあれ演技っぽいよね。あなたも仲良しだから同じかと思ったわ」と言われた。
私が田舎っぽくて精神年齢が幼いのは、事実そうだった。でも、演技ではなくて自然な姿。わざとそんな風にする必要は無いどころか、もっと洗練されたいと思っていた。
りーの演技に気が付いたら、とても嫌な気分になった。
皆大人だから、彼女に冷たくする訳でもなく、普通に接していた。私も本心を隠して、普通に接した。
可愛くて先輩にモテモテのりーに、さっそく恋人ができた。当然な成り行き。
彼氏の方に気が向いてくれて助かった。解放された気分だった。
接する時間が減った分、気のあう友人達といつも楽しく遊んでいた。考えてみると、りーには彼氏と私以外に仲良しの人はいなかった。かといって執着されるのも嫌だった。
ある日の事、学食でりーとばったり会った。お互いひとりだったので一緒にランチをとった。
りーは暗い顔をしてこう言った。
「あなた、私に恋人ができたから焦っているんでしょ。私を妬んでいるでしょ。
最近私を避けているよね。悔しいから?彼に最近あなたが冷たくなったと相談したら、僕の友人を紹介してやると言うのよ。どうする?彼氏ほしいんでしょ?」
はあ~?言葉がでなかった。
続く