それからしばらくは、その社員からの連絡は無く、まだ辞めずに頑張っている様だった。


Mさんは、遠く離れた自宅にいる間は、常に会社の事が気になり、いつ彼女が嫌がらせをしてくるかわからないという不安な気持ちだったという。


ご主人は、きちんと定期的に帰宅し、夫婦で買い物に出かけたり、何事も無い風にしている。
愛人の存在のせいだろうが、DVは治まっていた。そういう点では、夫婦関係は良くなっていた。

Mさんの心の中は、ご主人が家庭を壊さず、きちんとお金を送ってくれて老後も安心して過ごせればそれでいいと割り切っていた。

だが、その為には会社がきちんと機能する事が大事。
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愛人の目的がはっきりとわからないまま、ご主人を見守りながら祈るしかなかった。その為には、電話をくれた社員の存在は大きかった。


ある日、その社員から電話がきた。

何か事件があったのかと、Mさんは嫌な予感がした。


電話の内容はこうだった。

「最近、社長と副社長(愛人)の様子がおかしいのです。何かあったようです。2人で出張に行った後、暗い顔をして何も話さないのです。普段2人とも、社内では怒鳴ったり、大きい声で指示をだしたりするのですが、全くそんな元気が無くて。わかりやすいんですよ。2人ともすぐ態度にでますから。

喧嘩とか、別れ話でもしたのかなと、様子を見ていました。すると昨日、副社長のお母さんが突然会社を訪ねてきて、皆びっくりしました。お母さんの様子が深刻で。」

何で、愛人の母親が急に会社に来るのか、娘の職場を見学しにきて社長に挨拶に来たのかもしれないが、深刻な様子だったとか、二人の様子がおかしかったとか、聞きながらMさんの不安は募っていく。