Mさんは、自分も会社の役員になろうとした。愛人の好きにさせない様に、自分も権利を持つことにした。

ご主人にはうまく話した。あなたの仕事を少しでも助けたい。会社の為に力になりたいと。

そういう言葉に弱い人だと知っていた。


了解をしてくれたのだが、聞くとすでに半分の権利を彼女に取られていた。しかし、Mさん夫婦の持ち分を増やし、何とか手はうてた。これからご主人が彼女の言いなりにならなければ大丈夫だ。


彼女が、自分の気にいる従業員には態度が良く、気にいらない人には無視したりパワハラをするという苦情が入ってきた。人が次々にやめていっては採用、の繰り返しで、おまけに似た様な性格の社長だ。

会社の評判はどんどん悪くなっていった。
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だが、野心たっぷりの愛人副社長は、その外見と愛想良さで営業には成功していた。

新規の顧客を開拓し、本性を知らない相手の男性は、彼女の持つ魅力と思わせぶりに何人も勘違いをして契約を結んでいた。

彼女のそのやり方を社長はうまく利用していた。だからなおさら、彼女を離せなかったのだ。彼女無しでは回らなくなるほど社内は仕切られていた。

会社のイメージガールとして、営業の花としては最適だった。
そういう意味では、能力がある人なのだ。

彼女が自分の言いなりになる従業員だけを残している為、Mさんが会社に行くと、以前の歓迎する雰囲気は消えて、拒否するような冷たい雰囲気に変わっていった。

うわべでは、笑顔で良い人に見えている副社長の彼女は、社内にこう言っていたらしい。

「たまに手伝いにきているあのおばはん、役立たずだわ。うちは老人なんか募集してないのに。社長の奥さん風ふかして邪魔でしかないわ。皆もそう思うわよね」と。


Mさんは、次第に会社に顔をだす機会を減らしていった。


それを気にかけてくれた社員が1人いた。ベテランの男性社員だった。

この人も本音は副社長を嫌っていたが、表面的にうまく合わせていた。

Mさんに、「副社長の事は気にしてはだめですよ。会社にどんどんまた来てください。」と電話をくれたのだ。そして

「最近、副社長は僕が目障りになっているらしく、辞めるよう嫌がらせばかりしてきてます。社長に相談してもうやむやなんですよ。社長は副社長に裏でコントロールされているんです。奥さん、だから社長の目を覚まさせる為に、頑張ってください。会社を救えるのは奥さんしかいないんです。」

とお願いされたようだ。