彼女は勝ち組、私は負け組なのは明らか。

今になって、彼女に学んでも遅いが、O恵の結婚成功への道のりを自分の知っている範囲で振り返ってみる事にする。

入社後、担当の課は違ったので、O恵と一緒に仕事をすることはなかった。

制服の無い会社だったので、安い給料で一人暮らしの私は、通勤の服に苦労した。


会社は東京の一等地、駅前にあり、学生時代の服はとても着れるものではなかった。


O恵は、実家暮らしでゆとりがあり、羨ましかった。


ブランド品を使っていて、全く違う家庭環境で育った人という感じがして、一線を置いて接していた。


周りからは何かと比較されたが、お互い気にしなかった。
おっとりしたところもあるO恵の性格に助けられた。


入社して2年目、少しは仕事にも慣れてきて後輩も入り、これからと言う時期、O恵が突然「昨日、お見合いをしたの」と言ってきて、驚いた。

嬉しそうに社内で話すので、どんな相手なのかまで、皆に知れわたった。

 O恵は、お見合い相手の事を自分から皆に話した。

誇らしげで、嬉しそうに話すO恵の様子を見て、よっぽど気にいったんだろうと周りは思った。


(まだ相手の返事も貰っていないうちから公表して大丈夫かな)とは思ったが、「私の望む条件にあう人だったから、結婚するつもり」と即決していたのには驚いた。


それから2週間ほど過ぎた頃、O恵の指には大きなダイヤの指輪が輝いていた。


皆の前で手をかざして
「婚約しました!指輪もらったからはめてきました。」
と指輪を皆に見せていた。


お見合いから婚約までのスピードの速さに皆、唖然としていた。

「婚約って、この前お見合いしたばかりよね?お付き合いもろくにしないで決めて大丈夫なの?」

「お相手がどんな人かわかっているの?よっぽどの一目ぼれだったとか?」

などなど、先輩たちが質問責めをしていた。(良くお付き合いもしないで大丈夫なのかな。相性が悪かったらどうするのかな。好みとか彼女には無いのかしら…)などなど内心心配していた。

O恵は、何を言われてもニコニコしていた。

心配そうに聞いてくる先輩達に対して
「今までに3回会っているから大丈夫です。人柄?多分良い人だと思います。」
「私が希望した条件にぴったりあっていて、こんな素晴らしいご縁はないと思いました。」
と自信満々で答えていた。

「それより、高い婚約指輪を貰えたのが嬉しい。良い人だと確信しました。」

話を聞けば聞くほど、皆不思議な感覚を持っていた。


この時の皆の抱いた不安感が、後に当たる事になる。