お見合いだったそうで、お相手はS子より10歳以上年上だった。

良い人なら年齢は関係ないし、大事にしてくれるのでは?と思ったが、彼女の話では、そんな感じの人ではないとのことだった。


「全く好みじゃないし、ただでさえ中年なのに、歳より老けて見えるし、収入も多くないし、断りたかったの。でも、私もこんな歳だし、”前科”があるし、親がうるさくてどうでも良くなったと言う感じ」


彼女のいう”前科”とは~

   S子は、25歳の時に、結婚したいと思う人がいて、ご両親に会わせた事がある。

   お父さんは、相手が気に入らず、猛反対した。
   理由は、親の直感で「こいつは詐欺師だ」と思ったからだそう。

   S子は、お父さんに反発。親子喧嘩。口もきかない日々が続いた。
   
   そんなある日、お父さんがS子に書類の束を見せた。
   「これでも結婚したいか?」と言われたそうだ。

   その書類は、探偵からの報告書だった。

   なんと彼氏は本当に詐欺師だった。

   借金が1千万、住所不定、結婚詐欺の前科があった。
   S子は騙されていた。


親の直感は凄い。娘を愛すればこそだ。何と素晴らしいお父さんだろう。

うちの自己愛男とは正反対だ。私の父もここまではできないだろう。その直感自体が無いかもしれない。


そんな事があったので、S子は、自分が男性を見る目がなく、騙されやすいのだと自信喪失になり、男性不信になった。


それ以降恋人を作る気力は無くなっていた。

S子の話は続く。


「お見合いした後、絶対断ろうって思ったのよ。嫌だって話したら父親に説教されてしまったの。いつまで一人でいる気だ。お前は男を見る目がない。親の勧める人と結婚すれば間違いないんだぞ。って。」

それだけではなく、この時、彼女のお兄さん夫婦も実家に同居していた。

お嫁さんへの配慮で、早く小姑の娘を家からだしたいという親の考えもあったようだ。


お見合い相手は、お父さんの親戚からの紹介で、素性もしっかりしていて安心だと太鼓判を押された人だった。


「この人を断ったら、お前は一生結婚できないぞ。紹介してもらえるのも最後だぞ。」と説得されたS子。

「生理的に受け付けられない感じで嫌だったのよ。でも、父の気持ちは理解できて、反抗できなかった。唯一魅力的だったのは、相手は東京在住だったこと。結婚したら東京にまた住める事だけが良かった。」

唯一の上京できるという事だけで、自分をごまかし、承諾せざるを得ない状況だったという。



 感想!☆親が反対するのは何か理由がある。親になって初めてわかる事もある。素直に意見に耳を傾ける事も必要。

結婚を決める時は、案外ばたばたと流されて半ばあきらめて決めてしまう人もいる。その時の色んな状況がそうさせてしまうのだろうが、勇気をだして一旦ストップする事も大事かもしれない。