りんごの嘆き

人生の後半もだいぶ過ぎた主婦りんごの嘆き。これからは自分らしく生きる。最後は笑って終わりたい。

2019年04月


親孝行な息子さんが、まさかそんな辞め方をするとは誰も予想していなかった。

アルバイトも真面目にやって、親に負担をかけないように頑張って大学をでた良い子だった。

人を学歴で馬鹿にする子には見えなかった。
両親は高卒だし、特に教育パパ、ママではない。それどころか、借金だの離婚だの夫婦喧嘩が絶えず、子育てなんて後回しだった。

子どもをほったらかしでパチンコに行く事も多かった。

どうしてこんな環境でこんな良い子が育ったのだろうと言われていたほどだ。


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息子さんはひきこもり、ニート状態になった。一流企業に入った息子の給料をあてにしていた夫婦は落胆した。

自分達の生活も荒れているのに、息子まで帰ってきたらお荷物になると言い出した。

その雰囲気を察した息子さんは、荒れだした。

「お前らは、最初から俺なんかいない方が良かったんだろう!生まれた時からずっと俺のこと、邪魔だと思ってたんだろう!こうなったのはお前らのせいだ!許さない!」

と親に暴力をふるいだしたのだ。


両親の為に頑張ってきた良い子が、就職してからのストレスをきっかけに、それまでの長い我慢の蓄積が怒りになって爆発してしまったのだろうか。

子どもの時から、何もかも我慢してきたのは確かだろう。両親を自分のせいでもめさせないように、少しでも家庭が平和になるようにと。小さい胸に重い心を貯め続けてきたのだろう。


でもそれと、学歴で人を見下す事とは話が違うと思う。

それは何故だろうと不思議だった。

彼等を良く知る親族の人から詳しく聞くことができた。

「お父さんがあれではね。良い子もおかしくなるわ。

ずっとお父さんは職が安定せず、生活が苦しかったでしょ。自分のせいなのにいつも会社のせい、上司のせい、誰かのせいだと文句ばかり家で話しているのよ。

手に職もないし、大学もでていないし、あの年齢なら仕事を選んでいる場合じゃないのにね。

せっかく良い仕事を紹介してあげたのに、そこの女子社員を馬鹿にして辞めたのよ。若くても自分より先輩だし、仕事もできるのに、女性だというだけで、女のくせに自分より給料が高いだの、良い仕事を貰っているだの、いばっているだの、まあ馬鹿にしてるのよ。

あんな女どもより後輩で、給料が安いのはおかしいと言って辞めたのよ。プライドなんていうものではないわね。ただの妬み、負け惜しみよ。」


だと言う。こんな父親の愚痴をいつも聞いて育った息子さんは、内心嫌だったのではないか。

友人の家庭と比べて、文句ばかり言って仕事が続かないお父さん。パチンコ依存症で借金に追われる両親なんて、本音は嫌だったろう。

自分はこうはならないぞ、勉強して父親とは違う人生を歩むんだと思っていたのかもしれない。

彼は心を病み、働けなくなった。

息子をあてにしていた夫婦は、あてが外れたどころか息子の世話をする事になった訳だ。


息子さんは「こうなったのはお前らのせいだ!」とスイッチが入ると今も暴れるそうだ。

それでもこの両親は「何を言ってるんだ、子どもの頃の事なんて忘れたらよいのに。病院に入れてしまおう」と全く気にしない。彼の訴えを受け入れない。

勝手に息子がおかしい事を言いだしたとしか思わないようだ。


この家庭を見ていて、一歩間違えば我が家だってこうなりかねなかったと思った。
私は夫の与える子どもへの精神的な影響を心配してきた。

このお父さんよりも夫の方がもっと我儘で、冷酷な気がする。

別居していたから、子ども達が嫌な思いをする機会が少なかったのが救いだったかもしれない。

嫌な思いはしていても、それは「家族を捨てたいい加減な父親」という怒りで、日常に嫌な面を見たり、嫌な目にあったりするよりは、精神的に良かったと思う。


これまで怒りと不安な日々もあり、いまだに許せない気持ちはあるが、今はやっとそう思える。

親の何気ない言葉、考え、振る舞いは、子どもに影響を与え、それがいつ大きな反動となって表れるかわからない。我が家ももまだまだ気をつけていこう。明るい、笑顔の日々を過ごそう。





他にも、似た様なケースを知っている。

ある知り合いのお宅は、夫婦のもめ事が多く、経済的にも苦しくいつもゴタゴタしている家庭だった。

そんな落ち着かない環境の中、息子さんは、奨学金とアルバイトで親に経済的負担をかけずに大学に行った。
成績優秀で一流大学を首席で卒業し、一流企業に就職した。
親孝行な息子だとその夫婦は自慢し、

「もう老後は安心、息子を頼れる。家も建ててもらおう」などと、まだ入社したての息子さんの給料をあてにした。
「それはまだ早いでしょ。彼の人生なのに」と周りは息子さんに同情気味だった。

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結局、この息子さんも1年で退職してしまった。

理由は「上司が僕よりレベルの低い大学卒で、頭悪い。僕の考えが正しいのに聞き入れない。馬鹿な上司の言う事を聞くのが苦痛だ。」という事だった。


実際は、何があったかはわからないが、上司と相性が悪かったのは確かな様だ。


「自分の方が、先輩より上」こういう事を言う人は結構いる気がする。

「自分より上司が学歴低い」という理由だけで。

うちの夫も言う。頭良い訳でもなく、一流大学もでていないのにそんな事をいう。
勘違いして、恥かしいことだ。それでトラブルを起こして転職の連続。

夫は頭は良くないが、辞める理由は彼等と同じだ。


異常なパワハラやセクハラとか過重労働とか、給料が嘘だったとか、企業側に責任のある場合なら理解できるが、「自分より学歴が低い人の指示をうけたくない」という発想はどこからくるのだろう。


市役所に勤めているママ友が、鬱病になり休職した。


その理由を聞いて驚いた。

「新入社員から軽蔑され、一切指示を聞いてもらえない。自信をなくした。」と言うのだ。

新入社員に、資料を作る様に指示したが、無視されたという。
なぜやらないのかと問いただすと、謝る訳でもなく「あんたがやればいいじゃん。何でこんな仕事させるの?」と言い返してくるのだという。

大学でたばかりの若い人が、40代のベテラン上司に対してそんな口をきいてくるとは驚きだ。

「僕たちあんたたちより良い大学でてるんだから、僕たちの方がレベルは上ですよ」という事らしい。


その新入社員らは、県外の一流大学卒で、学歴と成績でおそらくスムーズに採用されたのだろう、人物より学歴を優先して選ばれたのかもしれない。
それとも、面接では、真面目で謙虚な態度をとって、面接官も見抜けなかったのだろうか。


こういう新入社員は1人ではなく、何人かいたそうだ。

ママ友は、馬鹿にされたショックと自信喪失で、鬱になってしまった。


全員がそうではないだろうが、こんな人たちが公務員であり、地域の人の為に本気で貢献するのだろうかと疑いたくなる話だった。

上に書いた息子さんのその後は、次回に……





就活の時期だ。ニュースなどで目にする事が多くなった。


古い自分の時を思い出しても、内定が取れるまでの精神的な苦労は想像できるし、必死で就活している学生さんを見る度、応援したくなる。


電通の事件の様に、せっかく希望の企業に入ってもパワハラを受けたり、過労死されたらたまったものじゃない。

教師の労働環境にしてもそうだ。
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知り合いの息子さんが、財務省に入って、良かったね、凄いねと言っていたら、時期はちょうどあの森友事件の真っただ中。


翌年辞めて帰って来たそうだ。疲労困憊して。

内定貰うまでのあの必死な努力と気持ちを考えると、内定を貰っても結果がこうなるなんて。と空しくなる。そういう早期退職する新入社員は多い。


やり直すなら早くが良い。そう思ってのことだろう。それで良いと思う。

命を守る事が一番だから。

我慢できることと、できない事の見極めは難しいと思う。

自分ではまだいける、もう少しだけ頑張ろうと無理しているうちに、心を病み体調を崩し、気がついたら取返しのつかないところまで来ていたとならない様に、誰かが見守ってあげないといけない。


誰かにSOSをだせるなら、どんどん出して、守ってもらえたらいいと思う。そこでストップをかけてあげる人がいれば良いと思う。

反対に~採用する企業側の立場で考えて見よう。

最近は、成績よりも人物重視で採用する傾向が強い様だ。

書類審査で、最近は成績証明書をださなくてよくなったとか(自分が知らなかっただけ?)、良い傾向だなと思った。

面接重視になっている。演技や嘘でかためても、すぐに見抜かれるはずだ。
成績や学歴より人物重視というのは納得できる。

知り合いの娘さんで、入社してから、過労やパワハラではなく、自分の起こしたトラブルで辞めてしまった人がいた。

どんなトラブルかというと……

有名な大学卒の成績優秀な娘さんは、地元の県庁の採用試験に合格した。

新入社員として研修中の出来事だ。

(誰でも通る道の)裏方の仕事をやらされた。雑用だ。誰かがやらなきゃいけないこと。それも大事な仕事。

それをやらされた娘さんは、怒りを覚え、親に愚痴ったそうだ。

「この優秀な私が何であんなくだらない仕事をしないといけないのだ!」と。

母親は職場に行き、上司を呼び出し文句を言ったという。

「なぜ雑用をうちの娘にやらせるんですか!娘はそんな仕事をやる為に大学に行ったのではありません!多額の学費を払ったのにこんな目にあうなんて、納得いきません。娘にはもっとレベルの高い仕事をさせてください!」
と、上司に説教をしたらしいのだ。


普通の子どもなら、家で愚痴った話をそのまま親が上司に文句言ったりしたら、「そんな事しないで!会社に居づらくなってしまう」と恥ずかしくて止めるだろう。


ところが、娘さんは勝ち誇った様子で、そのまま職場で偉そうな態度をしていたそうだ。

結局はその後しばらくして辞めてしまったらしいが。この子を採用した人事担当者は、自分を責めたのだろうか。

おそらくこの頃は、まだ成績や学歴重視だったと思う。
書類上は、一流大学卒、成績優秀、親は公務員(最近は家庭の事も調べない)という文句のつけようのない条件であった為、面接も普通に真面目に話しただろうし、見抜くのは困難だったろう。


成績さえ良ければ全て良し。人より偉いのだ。という間違った価値観の親はまだまだ多い。


「受験科目じゃないから、家庭科、美術、音楽などはどうでもいいのよ」と言うママさんもいた。

そういう考えで育てられた子どもさんは気の毒だ。何の為に学ぶのか。生きる為だろう。心豊かに。

この話はまだ続きます。





続き


娘さんは、しばらくは引越さず、ご主人のマンションに住み続ける事になった。

その土地で仕事を探す事にしたらしい。


それだけでも、ご主人と副社長の行動にブレーキがかかるのではとMさんは期待していた。


会社の中の情報は入らず、ホームページやご主人のブログしか様子がわからない。


次第に、Mさんも会社に手伝いに行く回数も減ってきた。


ご主人の態度が変わらず、定期的に帰宅し、送金もあるのでとりあえず安心はしていた。

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それから1年後、副社長は社長になった。ご主人は会長に。


実質的には彼女の会社になったようなものだった。


本当は、娘さんに後を継がしたいと考えていた様だったが、娘さんがすぐに辞めてしまった為結局愛人に渡した形になった。


ご主人は、責任が軽くなり、仕事も彼女に任せた事で楽になったと喜んでいたという。


「もうあの会社はいらないよ。自分に何かあったら彼女にあげてもいいと思っている。」と周りに話していたらしい。

経営は楽ではなく、何とかここまでやってきたという事なのだろうか。もう肩の荷をおろしたいと思ったようだ。
本当の理由は、「結婚はできない。関係はいつでも切ってもいい。慰謝料代わりに社長にする」という条件で社長の座を譲ったようだ。

高齢になってきたご主人は、若い彼女の相手がしんどくなってきた様子。

老後はゆっくり自宅ですごしたいと思い始めたのだろうか。


会社を渡していつでも、自由にのんびり過ごせるように手をうったのだろう。


何て勝手な羨ましい?話だろうか。それで良いと彼女も自分で決めた人生なら、他人がとやかく言えないが、裏ぎられ続けたMさんは気の毒だ。

Mさんも、会社に利益があれば配当がくるし、夫が会長としての報酬もあるのなら、それでいいと思うしかなかった。

Mさんは、DVで苦しんだ事を思い出し、老後、ずっと夫の世話をさせられるのは嫌だった。

今更帰って来なくていい。介護状態になってもずっと彼女に世話してもらえばいいのに、と願っていた。





続き


会社が忙しい時期には、Mさんも手伝いに行った。娘さんの様子も見がてらだったが、驚くことに例の件以来、副社長の母親も我物顔で手伝いに来ていた。


副社長とその母親が、大きな態度で振る舞い、社長と娘と奥さんは、遠慮がちにしていた。まるで副社長が社長であるかの様だった。

Mさんは、従業員に気を使わせないよう、これまでも気を使い、謙虚な態度をとり裏方の仕事を手伝っていた。それを良いことに、副社長親子はふんぞり返っていた。

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そんなある日、副社長が誰かに電話をしていた。そしてこんな事を口走っていた。

「今、臨時のパートを使っているのですよ。若い子とと老人ですよ。若い方は頭が足りなくて、老人はとろくて役に立たないのですが、うちの会社はそんな人でも雇ってあげる、いい会社なんです。」

誰が聞いても、これはMさん親子の事を悪く言っているのだとわかった。臨時のパートなど雇ってはいないし、二人というならMさん親子しかいなかった。

何てひどい事を言うのだろうか。従業員は聞いていないふりをした。

社員の1人が、社長にその話をした。奥さんと娘さんをそんな風に言われれば、社長だって副社長の本性に愛想がつくのではと期待した。

すると意外に冷静で「わかった。副社長に聞いておく。」とだけ言われたそうだ。


社長は副社長が嫉妬でそんな事を言うのだろうと、わかっていた。

そこまで自分に執着される事は、社長にとっては、むしろ気持ち良い事だったのかもしれない。

彼女に注意したところで「奥さんといつ別れるの。私は子どもまで諦めさせられたのよ。奥さんと娘に全てばらしましょうか」と言われてしまい、何も言えなかったのだ。

社長は、仕事面でも、私生活でも愛人に頼りすぎており、もう縁をきれない状況になっていた。


結局、「あの電話の内容は、うちの事では無くて他の人の話をしたらしいよ。誤解だよ。副社長は娘にも優しくしているだろう。」と社員は誤魔化されて終わった。


裏表の激しい副社長は、実は、Mさんの娘に裏で陰湿な嫌がらせを続けていた。

わざと仕事でミスをするように仕込んだり、教えて無い事を「それ何回も教えましたよね?」と責めたりした。

守ろうとする社員に対しては、辞めるように働きかけ、給料を下げ、無視をし、自分に抵抗する人は徹底して排除しようと動き出した。


結果、娘さんは「会社を辞めたい」と言い出し、社長はそれを受け入れた。副社長が自分との関係をばらす恐怖もあり、それが良いと判断した。


古くから貢献してきた社員たちも、全員排除された。電話をくれたあの社員も辞めてしまった。


Mさんは、協力してくれる社員を失い、会社の様子がわからなくなってしまった。残った従業員は副社長に媚び、気に入られた人ばかりになっていた。



Mさんの話の続き


Mさんの娘さんは、張り切ってお父さんの会社で仕事を始めた。


住むところもお父さんのマンション。


まだ若い娘さんは、社内では可愛がられる存在になった。お父さんである社長に気を使ってではなく、娘さんの素直な性格が好かれた様だ。

面白くないのが副社長。予想通りだ。


皆の前では、優しい良い上司として振る舞っている。

だが、裏では「あの子はのろまで、頭が弱い。あれではどこで働いても通用しないわ。可哀想だから雇ってあげてるだけ」などと、外部の顧客などに言いふらしていたという。


その表裏の違いに、恐怖を感じる社員や親密な顧客は、彼女に逆らえなくなる。嫌われると何をされるかわからないからだ。

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社長は娘可愛さに、追い出すどころか一緒にいられる事が嬉しそうだったとか。

それにしても、ずるい父親である。
自分だけいいとこどりだ。
彼女も家族も、両方自分の都合よくそばに置く。奥さんも彼女も幸せとは言えない。一番悪いのはMさんのご主人。

いずれ娘さんも、父親と副社長の関係に気が付くだろう。

副社長が故意に娘に2人の関係を知らせる様な行動をするのでは。と周りは心配していた。

Mさんも、それは覚悟の上だった。
もう娘は大人だし、自分が話すより娘が自分で気が付き、父親に自分の気持ちを訴えることもいいかもしれないと考えて居た。

本当は、子どもたちに知らせず、妻である自分が夫を説得してどうにかしたいところ。
でも、DV体質の夫が妻の言い分なんて聞くわけがない。

子どもの力をあてにするのは母親としてどうかと思ったが、その時のMさんは、娘に頼るしか無かった。

その上、もし自分に何かがあった時、子ども達が何も知らないままだと困る。

家庭を守る為にはやむを得ないと覚悟していた。

娘が、父親と目の前にいる会社の上司の関係を知る事は衝撃だろう。傷つくだろう。

副社長が、母親と一緒に一生ご主人に付きまとうという恐怖がある以上は、仕方がないと思っていたという。




中学校の入学式があったらしく、真新しい、大き目の制服を着て歩いている新中学生たちが歩いている。


笑顔で友達と歩いている姿を見て、これから色んな事があるんだろうな、頑張ってねと心の中でエールを贈る。親御さん達も、嬉しい反面、不安な事だと思う。
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我が子の時を思い出す。そうだったな、ああだったなと。


道を歩く新入生の子ども達の顔は明るく、楽しそうだ。

我が子もそうだったな。色々あったが、卒業する時には良い学校生活だったと思えた。
と、懐かしくしみじみ思い出していた~が、当時の夫の事を思い出して一気に胸が苦しく不快になった。


そうだった。子どもの入学式の度に、嫌がらせをされていた。

親なら、励ましの言葉や明るい言葉をかけたり、ここぞとばかりに子どもの為に張り切る事だろう。


夫は逆だ。入学準備のお金をださない。制服代などの金がかかると自分の生活が苦しくなると嫌味を言い、あげくは破産してやるだの、仕事を辞めるかもだのと、入学式の最中にわざとメールしてきた。


子どもに嫉妬するのか。

外面は違う。
自分がきちんと育てて、お金もだして、立派な父親のようにふるまう。別居しているから嘘はつき放題。
自分の親族にも、さも良い親かの様な嘘をつく。お祝いを貰ってもこちらには教えず、自分でとってしまう。


夫の言動をつきつめていくと
「家族が生きているのが悪い。生きているから自分が迷惑を受けている」ということになる。
そう言われている気になる。

そこを私に突かれると、あわてて言い訳をする。


結局「別居は何の為にした?生活が苦しいならやめたら」と言われるから、そう言われない様、いつも言い訳を考えて居る。


楽しい思い出も、全て夫にぶち壊されてきた。

つまり、自分のいない所で、家族が楽しい事が嫌なのだ。不幸であってほしいのだ。

不幸であればあるほど、自分の価値があがると思い込む。真逆なのに。


「不幸にする為の結婚だったね。幸せにするから結婚してと強引に言ったのは、大嘘だったね」と言われるのが、一番嫌だろう。

何を文句いったところで、認めないのはわかっている。普通じゃない人間だから。


もしかしたら、子どもの結婚式にも来ない気がする。お金を使いたくないとか言い出して。

相手の親への子どもの立場も一切考えず、もし、ちゃんとしてくれと頼んだら、また「破産していいならいう事聞こう」とか言いそうだ。


そのくせ、「いやあ、ここまで育てるのは苦労しましたよ」などと人に言うのだ。


子どもに会いたいとか、子どもの為に頑張ると思わない夫が信じられない。やはり、虐待する側の人間と同類なのだろうか。

本人は、「僕はこんなに子どもの為に頑張って苦労しているのに、作り話をするな」と言う。
だからやっぱり、この人は普通では無いと確信するのだ。

虐待する親は、躾けだと、それが愛情だと言う。それと同じ構造だと思う。

続き


Mさんは、自分が夫の会社で働くのが一番効果的だと考えた。


しかし、それは無理な話だ。

自宅を空ける訳にはいかないし、両親の世話もある。


まずは夫が許可しないだろう。社員だって気を使うことになり嫌だろう。


自分はこれまで通り、繁忙期だけ手伝うという形でたまに顔をだすしかない。

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そんな時、就職していた娘さんが、仕事を辞めて帰ってきた。

地元で再就職先を探すところだったが、Mさんはこの娘さんをご主人の会社に入らせる事を思いついた。

ご主人のマンションに一緒に生活させる事も、二人の行動も少しは制限する事に繋がるかもしれないと考えた。

広いマンションだし、親子で生活する事は当たり前。娘さんがご主人の身の周りの世話などができれば、ご主人も喜ぶはずだ。何もしなくても普通の親なら嬉しいだろう。


おそらく副社長は、妻の様な態度で夫の部屋に入りびたり、好きにしているのだろうが、娘が行くとなるとそうはいかない。

ただし、娘を親の汚い世界に巻き込みたくはない。何も言わずに、もしお父さんの仕事を手伝う気があればどう?と聞いてみて、本人がその気になったら行かせようと思った。


うまくいけば、娘を後継者にして、副社長の野心に歯止めをかける事もできるかも。夫はいざとなれば愛人より家族を選ぶ。という自信がMさんを支えていた。


事情を何も知らないまま、娘さんはご主人の所へ行った。


娘さんに、頻繁に連絡をする事で、会社の様子が聞ける。先日電話をくれた社員にも説明し、協力をお願いした。






前回からの続き

社員の電話は続いた。

「副社長のお母さんが来られた翌日、社長と副社長が一緒に休みをとったのです。別々の理由で。でも、社員は皆わかっていました。2人に何かあったのだろうと。あ、皆気がついているんですよ。口にはださないですが。あんなあからさまで、関係がばれない方がおかしいです。

副社長のマンションの駐車場に社長の車が停めてあるのを見られていますし。でも二人はばれていないと思っているんですからね。

話がそれましたが、二人は休んだ翌日も、様子がおかしくて、暗いのです。おそらく病院にいったのでしょう。」
ここで、一旦電話がきれた。
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Mさんが一番恐れていた事が起こった様だ。自分に苦情の電話や相談に来たベテラン社員さんは二人目だ。


社長の奥さんに相談するなんて、普通はありえない。よっぽどのことだ。

それだけ会社を大事に思ってくれる良い社員さんが、彼女が原因で苦しみ、辞めさせられる。


Mさんはご主人に腹がたっていてもたってもいられなくなった。

数日後、再び電話がきた。

「実は、あの日、3人で話していた時の内容を聞いていた人がいたんです。

副社長のお母さんは、”娘はまだ若いし結婚して子どもを産んで、普通の幸せな人生を歩んでほしい。あなたが誘惑して、会社を任せると甘い言葉で誘って、娘の人生を狂わせたんです。

私は母子家庭で苦労して娘を育てました。幸せになってほしいのに、娘は一生愛人として生きていくのですか。子どもも産めないのですか。

今、あなたがすぐに奥さんと離婚して娘と結婚してくれないなら、こちらにも考えがあります。娘は別れない、いつかあなたが結婚してくれるまで待つと言っています。

子どもができたのに産めないなんて可哀想です。私も孫の顔が見たい。せっかくできた子どもを失うなんて辛すぎます。子どもを産ませて、認知してください。そして、奥さんと離婚話を進めてください。”

と訴えたそうです。社長は本来気の小さい度胸の無い人です。即答できず、お母さんに圧倒され、何も言えなかったようです。」


今のところ、ご主人からはMさんへそんな素振りは全く無く、そこまで夫が追い詰められているなんて知らなかったMさん。
どうみても、家族を捨てて彼女を選ぶ度胸は無いと確信する。夫は気が小さい。

軽い気持ちで、若い女性にちょっかいだしたつもりが、どんどん深みにはまって、相手が想像よりやり手で上手だったということか。

お母さんの気持ちは理解できる。だが、結局、ご主人と縁をきらせることは考えていないようだ。


「で、結局社長がはっきりしないので、お母さんは、”これからどうするつもりですか。娘と縁を切る時は、多額の慰謝料を払ってもらいますからね。このままずるずると関係を続けるなら、一生娘の面倒を見てもらいます。”と社長に迫ったそうです。

それでとりあえず、話は収まったそうです。社長はあの親子に死ぬまで執着されそうですね。どうにかして副社長を排除できないかと思っていましたが、ここまできたら無理なのかなあと諦めています。僕もいつまでいられるか、わかりません。

最近、また辞めるように仕向けられています。

副社長は、この件以来、更に強くなり、社員全員入れ替えようと考えて居るみたいです。自分の気に入った人、言いなりになる人だけの会社にしたいようです。

それだけではありません。あれ以来、お母さんまでもが我物顔でよく会社に来る様になったのです。
「うちの娘の会社」と人には話し、社員に対しても上から目線なんです。親子で乗っ取ろうとしているのだろうかと恐くなりました。」

Mさんは、もうここまできたら、会社もご主人も、彼女の好きに利用されてしまうと危機感を持った。

どうにかしなきゃと考えた。



友人と花見に行った。

と言っても近所の公園だけど。桜並木がとても綺麗。車で並木を通り抜けるだけでも最高だ。
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お茶だけ飲んで帰ってきた。

お茶を飲んでいる時、すぐ後ろに座っている主婦のグループの大きな声が気になった。


嫌でも聞こえてくる。私たちもあんな風に見えるのかなと反省したが、うるさいくらい大声。


人の会話を盗み聞いたみたいで嫌なのだが、まあ実際そうだけど。聞こえてしまったから仕方ない。

こんな話をしていた。

「○○さんたらね、さっさと旦那さんと別れたらいいのに、嫌なんだって。夫婦仲は冷めているのに老後の生活の為にこのままでいいんだって。旦那さんの年金をあてにするなんてずるいわ。」

(えー?そうかな。ずるいかな。何で別れないといけないのかな。人の人生でしょ。)と私は心の中で思っていた。

この人達の言う”夫婦仲”の意味は、どうやら肉体的な事をさすようだった。不快な言葉も使っていたので、私と友人は目と目で合図して呆れ顔。


50歳位のグループだったので、おそらく噂されている人もそれ位の人だろう。


肉体的に仲良しでないと駄目、奥さんの努力が足りない、女は色気がすべて。男は浮気するのが当然。と言っている。女性が女性を差別している様な、いまだにこんな考えの人がいるんだなと驚いた。


50歳あたりになると、夫婦は精神的に仲良しであればいいんじゃないか。特に仲良しでなくても、空気みたいな関係になって、男女としての関係は超越してるんじゃないのかな。


例え、精神的にも破綻していてもそれまで妻として頑張ってきたのだから、無理に別れて老後破産してまで1人になる必要はないだろう。
どちらかに何か問題行動があるとか、一緒にいるのは苦痛とかいうなら別だが、本人がそう決めているのを他人がどうこう言う事では無いよな。

「旦那さんの遺族年金をあてにしていてずるい」なんて、言っている。

妻なのだから当然の権利。
この人が言うのは「旦那さんに夜、サービスしてあげてないのに年金貰うのがずるい」だそうだ。

この人たちは、自分はどうなんだ?人の事言えるの?と、さりげなく顔を見た。普通の歳相応のおばさま方だった。

で、「私なんか、旦那に浮気されたから即別れたのよ。相手の女と色気で負けたのよ。あんたも夜は、コスプレか何かしてみたら」と、仲間に言っている。50歳すぎてまだそんな事をしないと続かない夫婦って?
努力するかどうかは個人の自由で、人に押し付けることではないだろう。


気持ち悪い話だ。こんな考えの人が友人にいたら、私とは合わないと思う。

女性は男性の道具じゃない。色気さえあればとか、そんなことだけで関係が壊れるなら、お互いそれだけの相性だったということだろう。


そう言えば、ママ友の中にもそんな事を言う人がいたな。


ママ友を全て「女」として見る人がいた。学校の先生も、近所のパパさんも「男」として見ていた。

驚いたのはまだ小学生の女の子に対して「あの子は不細工だから、将来男に捨てられるわ。女は外見がすべてよ。」と言っていた。親にそう言われて育ったと聞いた。


色んな人がいる。あの藤原紀香だって浮気されて離婚した。どんなに魅力があってもそうなるのだ。


せっかくの花見で、楽しくお茶を飲みたかったが、興ざめしてしまった。無視すれば良かったのにいちいち聞き耳たてて、反応した自分らも悪いのだが。


席を離れ、帰りに公園で桜を眺めて心を洗って帰った。



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