近年、冬になると気分が落ち込む。
人間も動物だから冬眠みたく、冬期鬱というものになりやすいらしい。

自然の事と思って、無理しないようにしよう。

冬でなくても、以前の様にワクワク感ややる気がでてこない。

こんな時期に母と話すと、更に気分が落ち込む。

特に嫌なのは、人のお葬式を待っている様なところと、自分の事を常に気にするよう押し付けることだ。
「あの人はいつどうなるかわからないよ。葬式が近いわよ。そのつもりで過ごしなさい。」というのが口癖だ。
「私のことも、いつどうなるかわからないんだからそのつもりでいなさい」と必ず付け加える。
元気な時からの口癖。

「人の死を待ちながら暮らせというの?誰だっていつ何があるかわからないのよ。そんな事を言っていたら、何もできないでしょ」と私は反発する。

ELLY_canare

祖母は100歳まで生きた。母は10年以上前から、祖母が元気な時から「何があるかわからない」と言って、旅行に人が行けば、「もし何かあったら葬式に間に合わないのに」と批判していた。

祖母以外の親族のことでも、そういう言い方をしてきた。伯母のことも施設に入っただけで、母は、葬式が近いかもと言い続けていた。

そう言いながら弟たちの行動は縛らない。

私にだけは、旅行や仕事の話になると「年寄りだからいつ何があるかわからないから」と不安にさせて行動を縛り付けようとしてきた。


無視して好きにするのだが、気分は悪い。

「何かあったらその時に考えればいい。それ、ずっと言い続けて、結局10年過ぎたね、誰でもいつ何があるかわからないのは当然でしょ。何があるかわからないからといって、じっとしてたら何もできないじゃん。それに、年寄りだけが心配じゃないのよ。むしろ事故で子どもや若い人が亡くなる事も多いのよ。私だって弟だって、いつ癌を宣告されるか、事故にあうかわからないのよ。お母さんは、弟と私に何があるかわからないからといつも心配して行動してるの?してないでしょ。私たちには何も起こらないと思っているよね?」

と毎回言い返すのだが、聞こえないふりしてとぼけている。


つまり、母のこの呪いの言葉は、「自分の為に相手を縛りつけて行動をコントロールする」為にあるのだ。
子どもに不安を与えて、やる気や自信を奪い、自分の責任を軽くしたいという毒親の発想だ。
私はそんな育ち方をしてきた。
何かやろうとすると、不安にさせられチャンスを母に潰された。

母は、葬式が好きな人だ。葬式に行きたがり、行くと活き活きする。

次は誰?といつも言っている。
そのくせ、「長生きする方が人の弔いばかりさせられて損だわ」などど言う。

以前、伯母の葬式で無神経な事を言い、やり方にも口をだして親族から嫌われた。母に私が注意した。
でも、かわらない。

先日もまた言っていたので、

「お母さんも弟や私にいつ何があるかわからないと思ってた方がいいわ。親より先に逝くかもしれないと。私は人の不幸を待ちながら生活したくない」

と言って電話をきった。

母は、自分に都合悪い事はすぐ忘れるから話しても意味は無い。

それでも、言わないと自分がダメになる。母を見て、自分がどんな親だったかも振り返っている。