母から、父方の伯母が亡くなったと連絡があった。

その伯母は子どもはおらず、旦那さんも亡くなり、1人になっていた。
親族の世話になるのを嫌がり、付き合いも拒否していた人で、施設に入り後見人をたてていた。

遺言で、財産をすべて後見人に譲渡すると決めてあったと連絡がきたらしい。父の聞いた話だからどこまで正確かはわからないが、とにかく亡くなっても親族は何もすることが無いという事だった。

だから、葬儀も後の処理も全て後見人がやってくれ、葬儀には誰も行かない。香典も無し。

うちの母みたいに、裏では親族の文句ばかり言って、表ではいい格好している嘘つき婆さんより、この伯母はずっと正直でスマートな老後だったと思う。


「1人だから、何かあったら親族に世話になるかもしれないから、義理でも付き合わないと」という母みたいな余計な気苦労に縛られるのは無駄だろう。
老後くらい、精神的に自由に過ごしたいものだ。

それを伯母が実行して証明してくれた。

1人暮らしになり、介護が必要になったら施設で生活。後見人をたててもらい、いざとなったら全てをお任せする。そんな方法があると知っただけでも良かった。
でも、施設に入るにはお金がいる事だろう。

老後にお金が無いというのは、辛いと思う、自分もそうなると思うと長生きしたくないなと思ったりする。

伯母は、父を親族代表として連絡先にしていた。
具合が悪くなったり、何かあったときだけ、施設の担当者から父に連絡がきていた。

結局父は「向こうから付き合いを拒否しているのだから」と言って、一度も見舞に行かなかった。

亡くなったと聞いても、クールだった。
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同じ様に子どものいなかった母方の伯母は、最期まで活動的で1人暮らしを楽しみ、親族や近所の人たちと賑やかに仲良く過ごし、元気だったが、突然倒れて亡くなった。

生前、財産の相続をどうするかを考えており、甥っ子を養子にしていた。

だから、倒れても、その息子が全てを仕切り、葬儀も賑やかに立派に行った。

正反対な老後を選んだ2人の伯母。

どっちも素晴らしいと思う。自分に正直に納得のいく最期と、生前きちんと自分の亡きあとの事を考えて手をうっていた。

それにひきかえ、うちの実家はひどいものだ。

子どもに負の資産を次々と残す作業を父がしている。認知症のせいもあるだろうが、残された子孫の迷惑なんか全く考えて居ない。
夫だけでなく、実家の事も頭が痛い。